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2013年11月

11月は1日も欠かさず更新できた!

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blog@narumi焼きそば生活あべろぐ小出氏。同僚たちがブログを毎日更新するのを見て自分もと張り切ってみたところ、11月はなんとか欠かすことなく毎日更新できました!



やってみて思ったのは、鳴海さんが言っていた「毎日続けるコツは、毎日続けること」ってのはその通りだったってこと。当たり前の習慣になってしまえば、ブログを書くなんてなんでもないことでした。

以下は今月のリスト。太字のものはオススメ記事です。

http://sasakill.blog.jp/archives/2013-11.html

- 小出さんに「山の本」をオススメするための記事
- 自慢のスリーショット、というかフォーショット写真
- 『羆嵐』(くまあらし)を読んだ
- 京都を訪れると必ず立ち寄ってしまうクラシックな名物ラーメン「本家 第一旭 たかばし本店」
- [MTG]グランプリ京都2013に参加してきた
- バリッバリの食感がたまらないハード系パン屋のパニーニが絶品! 表参道「パンとエスプレッソと」
- ソウルの市場街をぶらり 〜トッポギとおでんと海苔巻きとあと海老のなんか
- 主役は大根ご飯! ソウルのノンヒョン駅近くにあるちょっとディープな焼肉屋「ワォンカン」
- Amazonオールタイムベスト小説100という企画がおもしろい! 〜100冊セットのプレゼント企画も
- 捏造・トンデモを信じたくなる気持ちとつきあう〜『幻想の古代史』を読んで
- 村上春樹の最新短編「ドライブ・マイ・カー」
- 三人の王、三つの城〜『夢と狂気の王国』評
- 牛肉の部位を指定して焼いてもらってあとは塩で食べるだけ 「ビストロ カルネジーオ」 恵比寿駅前
- 高橋留美子と京極夏彦とあだち充がそっくりだった件
- アウト・オブ・ダウト展@森美術館をぶらぶら
- 『お前たちの中に鬼がいる』をめぐって
- 傑作! 山奥のマタギが都心の住宅事情を辛口レビューする奇妙な短編小説『檜原村通信』(著・松田ジャクソン)
- 藤井太洋の『UNDERGROUND MARKET ヒステリアン・ケース』に思う2013年の東京
- カズオ・イシグロの『夜想曲集』
- [MTG] 統率者2013 開封の義(日本語版のBOXからフランス語版が出現するなど)
- 爪切りを新調した(PARADAとかいうやつ)
- 南翔饅頭店(六本木ヒルズ店)に行ってきた
- 新装版ロードス島戦記を読了。事前に予想した加筆分がすばりあたった!
- 「ウェブ時代の文章読本 2013」のための前口上 〜ドレスダウンに向かう言葉と、ウェブ時代の日本語技術者〜
- マジックに興味のある友人を見つけるための定期ポスト(あ、古澤さん、手品のほうじゃないです)
- 『今こそ読みたいマクルーハン』を読んだ
- 『残念な聖戦』が今日でリリース1周年! 1週間限定の99円セールをします(通常価格から200円引き)
- GIGAZINEで話題になった鉱物うまれのサイコロ「Eternity Dice」に出資したので結果報告
- 『WIRED × STEVE JOBS(保存版特別号)』がすごい

本とマジックの話ばっかりだな、ということに終わってみて気づきました。

ところで今月はこんなことも……


LINE PLAYのサービスについて取材を受けました。

LINEはリアルだけでなくバーチャルな関係性まで取り込みつつある | TechCrunch Japan
「LINE PLAY」1周年、1300万ユーザー突破 「インターネットは実名だけじゃつまらない」 (1/2) - ITmedia ニュース
単なるゲームじゃないらしい、「LINE PLAY」が開始1年で1300万ユーザーになったワケ (1) 意外な国で支持されているLINE PLAY その国とは? | マイナビニュース


そしてLINEのユーザー数が3億を超えました!

さて今年もまもなく終わるぞっと。

小出さんに「山の本」をオススメするための記事

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山にはまっているというブロガーの小出さんが、ちがった、同僚の小出さんが、「夢枕獏の『神々の山嶺』おもしろいっすね〜。ほかにもおすすめの本があったら教えてください」とかいうので俺のブロガー脳が思わず反応した。了解じゃあ記事にしますねー、とかいって。

神々の山嶺


原作である夢枕獏の小説も素晴らしいけれど、谷口ジローの手になる漫画版にはさらに独特のおもしろさが加わり大傑作になっている。エベレストのベースキャンプでカレーライスとリンゴと紅茶で腹ごしらえするシーンは、なんというかあれだ。孤独のグルメ。読後しばらくはビカールサンの亡霊のような声が耳を離れないだろう。「岸よ〜岸よ〜」。




青春を山に賭けて


文句なしのマスターピース。沢木耕太郎の『深夜特急』が80年代の若者をアジア旅行に駆り立てたように、70年代にはこの本が若者を山に駆り立てた。いや、いまもか。
小澤征爾の名作『ボクの音楽武者修行』とも共通する世界放浪ドタバタ成り上がりストーリーがとにかく気持ちいい。ありがたいことにKindle版があるよ(420円也)。




垂直の記憶


続いては、現代の(そして存命の)登山家・山野井泰史の本。沢木耕太郎が『凍』で山野井泰史のことを描いているけれど、オススメは断然こちら。つたなさゆえのリアリティが味わえる。本人と妻の手記が交互に登場するのも良。
作中のハイライトは、偉大なる成功……ではなく偉大なる失敗。誇張ではなく、正味の意味で「死の淵」から帰還した偉大な夫婦の記録に衝撃を受けるべし。こちらもKindle版あり(598円也)。

垂直の記憶 (ヤマケイ文庫)
山野井 泰史
山と溪谷社
2012-10-01



チベット旅行記


1800年代末、神戸に生まれたおぼうさん河口慧海師が、チベット語で書かれた仏教の経典を求めてヒマラヤを踏み越えていく顛末を記録した手記。裸になって氷の川を渡り、降雪の高山で羊だけを抱えてビバークしするという、現代的なギアに一切頼らない山行はあまりにも過酷で、現代人ならまず確実に死んでる。でも、徳の高い河口師は一切の愚痴を言わず仏道に精進する。そこがユーモラスで、この本のおもしろさを独自の高みに押し上げている。
発表後、『Three Years in Tibet』というタイトルで英訳され世界中でベストセラーにもなった名作。オリジナルは青空文庫やKindle版で読めるけど、多少読みづらい。現代語訳された白水社のバージョンがおすすめ。あと、私が絵本向けに現代語訳した絵本バージョンもあるのでそっちも買ってね。




クライマーズハイ


御巣鷹山の日航機墜落事件をテーマにしたフィクション。新聞記者の職業的内幕を描いた徹夜必死の小説ですが、山も重要な舞台になっているのでここでおすすめ。普段小説を読まない人にとっても、力のある小説がどういうものか味わえる傑作。映画版じゃなく、本で読もう本で(Kindle版470円也)。




熊を殺すと雨が降る


何十年も山暮らしを続ける著者・遠藤ケイが、現役のマタギに捧げた一冊。それは学徒のための民俗学ではなく、いま山に生きる者たちのための民俗学だ。都市に生きる者には一切の役に立たない、それゆえに憧れを抱くような山の生活。それを考えなしに「素晴らしいなー」と賛美することに無責任さを感じないではないけれど、かっこつけるのはやめよう。男なら、憧れるだろ。




釣山河


高い山に登るわけでも、険しい崖に挑むわけでもない。山本素石は、渓流釣りの達人として沢をのぼる。戦後からマイカーブームの時代にかけて、山に暮らす人々との交流や孤独な人間の影を描き続けたエッセイスト。
文芸作品としても超一流なんだけれど、すべての作品が長らく絶版状態にあった。ところが2012年についに復刻。なかでも、断片的にエピソードが綴られる廃村茨川シリーズを収録した本書がおすすめ。読んだらまず間違いなくマネしたくなるはず。




雨天炎天


春樹と山? じゃあこれは読まなくていいやと思ったかもしれない。やれやれ。春樹と山だからおもしろいのだよ!
地理的環境と宗教によって隔絶された前近代的なギリシャ正教の聖地・アトス山に、バブル経済のピークだった日本からジャズのレコードだのキュウリのサンドイッチだのにうるさい都市の記号をまとった小説家が訪れる。そして、不便で理不尽な山の生活に悪態をつきながら、最後にはただひとつのレモンに天上の甘露のような喜びを覚えるようになるという旅行記。
“山”という、現実世界から遠く離れたもうひとつの世界に憧れを抱く者にとっては、これもまぎれもない山の本だ。




関連リンク


この山の本がスゴい
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2013/08/post.html

『羆嵐』(くまあらし)を読んだ

4

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今からおよそ100年前。1915年(大正4年)の三毛別羆事件を元にした小説、というかノンフィクションというか。刊行は1977年。それが「Amazonオールタイムベスト小説100」にも選ばれ、レビューも非常に高評価なのでKindle版(400円)を購入して読んでみました。



「三毛別羆事件」や「福岡大ワンゲル部・ヒグマ襲撃事件」の話を知っている者にとっては、羆(ヒグマ)の恐ろしさに関する新鮮な驚きはないかもしれません。物語も単純そのもの。
しかし文章が素晴らしい! それを味わうためにおすすめしたい作品です。

朱の色は、早い速度で山火事のように尾根一帯を染め、互に合流して深くきざまれた渓谷へなだれ落ちていった
耕地では、一鍬ごとに木の根や石塊がとりのぞかれ、人や家畜の排泄物を吸収した土は朽ちた葉もふくんで柔かみを増していた。耕地は少しずつひろげられ、女たちは子を産み、子は背丈をのばしていった。
人間の集落には、家屋、耕地、道とともに死者をおさめた墓石の群が不可欠のものであり、墓所に立てられた卒塔婆や墓石に供えられた香華や家々でおこなわれる死者をいたむ行事が、人々の生活に彩りと陰翳をあたえ、死者を包みこんだ土へのつつましい畏敬にもなる

土地を求めてさまよった貧農たちを透徹した眼差しで見つめ、北海道の厳しい自然による残酷な仕打ちを慣用句に頼らず描ききっていて、文章を追っていくだけで「いい文学を読んだな」と愉快な気分になれます(ただし話の内容はグロテスク)。おすすめ。

本の情報


羆嵐
吉村昭
新潮社
2013-03-01


羆嵐 (新潮文庫)
吉村 昭
新潮社
1982-11-29

Amazonオールタイムベスト小説100という企画がおもしろい! 〜100冊セットのプレゼント企画も

カテゴリ:
売れた数だけでランキングしても、編集者が独自にセレクトしてもこうはならないだろうという個性的なリストに仕上がっています。

Amazonオールタイムベスト小説100
http://amzn.to/1f6MjZn (PC)
http://amzn.to/17CUG7a (スマホ)

どうせベストセラーばかりでしょと斜に構えると意外が本があって驚くし、BRUTUSなんかがたまにやる小洒落た特集とも違って身も蓋もない人気作品も入っている。カスタマーレビューの点数や、外部サイトからの流入数なども計算に入れることで、ある種、こういった非人間的でおもしろいリストができるんでしょうか。こういう企画、もっともっとやってほしいですね。

というわけで注目すべきはこの100冊をセットで丸ごとプレゼントしてくれるキャンペーンです!

プレゼントキャンペーンのページ
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http://www.amazon.co.jp/gp/socialmedia/promotions/alltimebest/ref=tsm_1_fb_s_jp_mwgdca

参加方法は簡単。Facebookページに「いいね!」をして、100冊の中ですでに読んだことのある本を数えて投稿する、というもの。

100冊すべて読んだと回答すると当たらない気がするし(当たらなくて結構だしむしろKindleでくれ)、1冊と答えると「この人にプレゼントしても本当に読んでもらえるのか?」などと思われそう。なぞとケチな根性がむくむくと頭をもたげてつまらないこと考えてしまいがちですが、もちろん作為のない抽選でしょう。肝心なのは、キャンペーン参加者にじっくりとリストを眺めてもらうこと。そしてそれから引き出される感想がネットに投稿されて話題になること、でしょうか。

その手にまんまと嵌ったひとりとして、オールタイムベスト100の中から自分の読んだ範囲でおすすめ本を紹介してみます。

トップ3(良質な読書の余韻がいまも残り続けているもの)


グレート・ギャツビー (スコット・フィッツジェラルド)
戦闘妖精・雪風(改) (神林長平) 
わたしを離さないで (カズオ・イシグロ)

トップ10(何度読んでもおもしろい、実際に何度も読んだ)


・世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド (村上春樹)
・坊っちゃん (夏目漱石)
・シッダールタ (ヘッセ)
・国境の南、太陽の西 (村上春樹)
・深夜特急 (沢木耕太郎)
・砂の女 (阿部公房)
・銀の匙 (中勘助)

11位以降(おもしろい! ただ再読はしなかった)


・坂の上の雲 (司馬遼太郎)
・日の名残り (カズオ・イシグロ)
・竜馬がゆく (司馬遼太郎)
・ドグラ・マグラ (夢野久作)
・魍魎の匣 (京極夏彦)
・銀河鉄道の夜 (宮澤賢治)
・百年の孤独(ガルシア=マルケス)
・夏への扉 (ロバート・A・ハインライン)
・老人と海 (アーネスト・ヘミングウェイ)
・こころ (夏目漱石)
・人間失格 (太宰治)
・星を継ぐもの (ジェイムズ・P・ホーガン)
・星の王子さま (サン=テグジュペリ)
・変身 (カフカ)
・吾輩は猫である (夏目漱石)
・ボッコちゃん (星新一)
・ねじまき鳥クロニクル (村上春樹)
・天使と悪魔 (ダン・ブラウン)
・東京タワー―オカンとボクと、時々、オトン (リリー・フランキー)
・博士の愛した数式 (小川洋子)
・陰翳礼讃 (谷崎潤一郎)
・男の作法 (池波正太郎)
・アルジャーノンに花束を (ダニエル・キイス文庫)

小説じゃないのがはいってますが、もとからリストに入っているので気にしないことにして、以上33冊でした。

ちなみに以下の本は、あとまわしにしていたのだけど、今回のリストを見て購入したもの。Kindle版で安く買えるのもうれしい。こういう気づきがあるのがリストを眺める楽しみですね。近々読むぞ!

・1984 (ジョージ・オーウェル)
・天地明察 (冲方丁)
・旅のラゴス (筒井康隆)
・人間の土地 (サン=テグジュペリ)
・羆嵐 (吉村昭)

以上、キャンペーンにまんまとやられたレポっす。

捏造・トンデモを信じたくなる気持ちとつきあう〜『幻想の古代史』を読んで

カテゴリ:
本書のテーマはシンプルだ。

後の世から見れば明らかな捏造・トンデモとわかる話に、なぜ当代一流の知識人までもがコロりとだまされてしまうのか?

幻想の古代史〈上〉
ケネス・L. フィーダー
楽工社
2009-11


上巻で取り扱われているのは、「カーディフの巨人」「ピルトダウン事件」「藤村新一の旧石器捏造事件」など。一言でいえば、それらの捏造・トンデモを支持させたのは、聖書の記述を信じたい気持ち、イギリスが世界に誇る民族だと信じたい気持ち、日本が旧石器時代から連なる歴史ある国だと信じたい気持ちだということになる。

地球が宇宙の中心だと思い込むと、地動説のヒントが目に入らないし、神がヒトを造ったと思い込むと、進化論のヒントが目に入らない。
もっと最近の話(今もまだ認識がゆれていそうなところ)でいえば、脳がすべてを決定していると思っている人には思考する身体からのメッセージが聞き取れない、ということもある。

結局のところ人は、どれだけ賢く科学的になったつもりでも、自分が見たいと思っているものしか見ることができない、という限界を本書は示している。
なにもいまさら「巨人族は存在しない」とかそういうことを喝破するための本ではなくて、現在の自分がどんな色眼鏡をかけているのかを考えるきっかけを与えてくれることに価値がある。

   *

これは、欠席している生徒に挙手させるくらい難しい話ではあるけれど、「僕らがいま見ることができないものはなんだろう?」という認知の限界を超越しようとする問い掛けには意味があるだろう。

以下に挙げるのは、「機会は平等で、努力は報われる」という価値観の時代に生きている僕らにとって不都合な真実(かもしれないこと)のリストだ。

政治家は賢く、金持ちは優しく、イケメンはいいやつ
芸能界には枕営業も乱交パーティもない
寄付は正しく行われ、アグネスは誠実だ

もし仮にこれらが正だとすれば、少なからぬ人が、「自分の可能性」と「現状の待遇」のミスマッチを責任転嫁する先を失うかもしれない。そうなれば、終わりなき鬱を生きることを選ぶか、根底にある価値観を疑ってみるしかない。でもそれは、どちらも難しい。だから僕らは、都合のいい捏造(かもしれないこと)のリストに飛びつく。ネットのニュースの見出しや、コンビニの廉価コミックの棚は今日もそんな話題ばかりだ。

   *

僕はといえば、超古代文明の存在を信じたがる傾向にあり、真偽の疑わしい話に喜んで飛びつく。考えてみるにそれはハルマゲドン願望の裏返しで、ハルマゲドン願望がなにかといえば、文明への不信感だ。世界を成立させているテクノロジーを信じられないのは、それがあまりに高度に発展しすぎて実感が伴わないからで、馬と車輪の時代だったらそんなこと思いもしなかっただろう。むしろ未来のことを考える。

省スペースや検索可能性という利便のため、写真や音楽や書籍をデジタルデータに変換してオリジナルの物体を破棄するとき、僕は一抹のやましさと嘘臭さを感じる。百年先には失われてしまうような媒体をありがたがって、より寿命が長いはずの媒体を破棄している自分は、まるで文明の練炭自殺に加担する共犯者のようではないか。

だから僕は、自分の認知と世界とのつながりをローテクなメカニックを通して実感するために、皿洗いや自転車漕ぎに励み、薪割りや魚釣りの生活に憧れるのだ。それができないとき、僕はある種のサプリメントとして、過去にあったかもしれない超古代文明のことを考える。滅びてもなお未来に残るものの価値を思って。

   *

なんちゃって。

本の情報


絶版本。マーケットプレイスなら上巻は500円ほど、下巻は3000円弱です。

幻想の古代史〈上〉
ケネス・L. フィーダー
楽工社
2009-11


幻想の古代史〈下〉
ケネス・L. フィーダー
楽工社
2009-11

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