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 学校で教わる数学にはぜんぜん興味がもてなかったけど、数学の美しさ、数学者の人生には昔から興味があって、フェルマーの定理がいかにして解かれたかというドラマを語らせたら、30分はひとりで話し続けられる。そして実際、飲みの席でひとりで熱くなることもある。

 だもんで『博士の愛した数式』(小川洋子)も当然読んだ。読み終わった後は、『博士の愛した数式』を愛せない理由だなんてことを書いてすぐに古本屋に売ってしまったけど、時間がたってディテールを忘れると、大筋としてとてもおもしろかった(ような気がする)。少なくとも、雰囲気としての数学の美しさは伝えていたと思う。

 雰囲気としての数学の美しさを、数学者・藤原正彦の言葉を借りつつ本にしたのが、好評売り出し中です! という顔をして書店に並んでいる『世にも美しい数学入門』。
 だけど友達のみなさん、この本は読まなくていいです。代わりに僕が語るので、「それって受け売りじゃん」とか言わずにつきあってください(笑)。

 数学者が人を愛するとその人が立っていた床や土まで愛する話とか、フェルマーの定理を解く最大の鍵となった「谷村-志村予想」の谷村豊が結婚式の1ヶ月前に自殺し妻もその後を追った話とか、残された志村五郎が10年の歳月を経てその定理を完成させた友情の話とか、ほんとまじでおもしろい。だってみんなロマンティックなんだもん。たまんない。
 
世にも美しい数学入門博士の愛した数式天才の栄光と挫折?数学者列伝