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『後宮小説』で有名な酒見賢一の『ピュタゴラスの旅』という短編集を読んだ。で、思い浮かんだ名前が「京極夏彦」。
共通するのは、「饒舌」さと「メタ」っぷり。

饒舌さには2種類ある。文章のボリューム的な饒舌さと、物語の話者がついつい物語に出張ってきてしまうような饒舌さ。後者の饒舌さはメタっぷりにも通じるところがある。

そこから考えると、京極夏彦のボリューム的饒舌さは本の厚さをみただけでわかるし、話者としての饒舌さとメタっぷりは、『どすこい(仮)』なんかの作品に存分にあらわれてる。

酒見賢一のほうは、『陋巷に在り』(全13巻)といった作品でボリューム的饒舌さがわかるし、話者としての饒舌さと内容のメタっぷりは『語り手の事情』という作品によくあらわれている。あと、今回読んだ『ピュタゴラスの旅』もそう。

このふたり、なんだかすごくソックリな者どうしのような気がしてきてWikipediaで調べてみたら、どちらも1963年生まれだった。おお。この年に生まれた作家は饒舌でメタってことになるんだろうか?

以下、関連書籍。

どすこい。

語り手の事情