ロールモデルは菊池寛
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元旦の今日、新幹線に乗って岩手に帰省したのですが、その間に考える時間がたっぷりあったので、それをまとめて2009年の抱負にしたいと思います。
車内で読んでいたのは、佐々木俊尚さんの『ブログ論壇の誕生』。

著者:佐々木 俊尚
販売元:文藝春秋
発売日:2008-09
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タイトルから誤解を受ける方もいるかもしれませんが、「ブログ論壇の誕生」そのものは最近のことではありません。だからその意味では新しさはないのですが、「団塊世代」と「ロスジェネ」の対立というパラダイムのなかでブログ論壇を多角的に捉えて、そのうえで「ブログ(CGM)はどうあるべきか?」といった問題提起にまで到達しているという点に、この本の大きな価値があると思いました。
とりあえず、仕事初めのときに同僚に何冊か配り歩こうと思います。
で、本当はこういう本を自分が書きたかったんだよなあ、と思いました。本音です。
実際には、本にまとめるだけの行動をしていなかったし、まとめたところで佐々木俊尚さんのようにはかけなかったと思うのですが、それでも、そんな風に思いました。
なぜか。
理由を説明するために、私のブログのサブタイトルの変遷を書いてみます。
■僕たちの世代を語る言葉、とかとか
2007年のサブタイトル。
私たち(の世代)は何者なのか? どういう時代に生きているのか? といったことに答えてくれる「知のスーパースター」の不在を嘆いていた頃です。かつてはそういう人がいたような気がして、それがすごくうらやましかったんですよね。ただ、愚痴を言ってもしょうがないので、「自分たちの言葉は自分たちでつくるしかない」というメッセージを込めました。
■80世代の定跡と力戦
2008年のサブタイトル。
76世代に対抗したわけではなく(笑)、「僕たちの世代」というくくりがあいまいだったので、具体的にしてみただけです。
意味を込めたのは「定跡と力戦」という将棋用語。耳慣れている「定跡」という言葉はそのままの意味ですが、「力戦」は定跡から外れた戦いのことで、過去に前例が無い局面において実力のみで戦うという場合のことです。棋士にもいろいろなタイプがいますが、仕事においては、定跡型も力戦型もいける人になりたいなという表現でした。
■ロールモデルは菊池寛
2009年はこれ。
自分がなにをしたいか人に伝えるときに、以前は恥ずかしくて公言を避けてたんですが、最近あえて口にするようになりました。言い出だしてみると説明が少なくてすんで便利だし、言っているうちにどうにかなるかなと。
菊池寛というのはこういう人です。
菊池寛 - Wikipedia
菊池寛は、小説家、劇作家、ジャーナリスト。文藝春秋社を創設した実業家でもある。(中略)
私費で雑誌『文藝春秋』を創刊したところ大成功を収め、富豪となった。日本文藝家協会を設立。芥川賞、直木賞の設立者でもある。大映初代社長を務める。これらの成功で得た資産などで、川端康成、横光利一、小林秀雄等新進の文学者に金銭的な援助をおこなった。(中略)
麻雀や競馬に熱中していたことでも知られ、日本麻雀聯盟初代総裁を務めたり、馬主として競走馬を所有したりしていた。また将棋にも関心があり、「人生は一局の将棋なり 指し直す能わず」というフレーズを作ったといわれる。
みずからが創作に関わる人間でありながら、作家という職業を経済的かつ社会的に成立させるために、「メディア創出」「賞の設立」「パトロン活動」といった多角的な活動をした人です。また、多趣味な人だったというのもポイントです。
それと同じようなことを、ネットが普及した21世紀においてできないものかなあ、と考えています。
とまあそんなわけで、『ブログ論壇の誕生』という本は自分がものにしたいと思っていたテーマだったのです。でもすでに書かれてしまったからには、そのことにはもう興味がありません。
むしろこの本で問題提起された「ブログ(CGM)はどうあるべきか?」という問題に、行動として回答することに燃えています。
そのことに関する考えの一部を、つい先日、livedoor Blog開発日誌に書きました。
2008年のまとめと2009年の抱負 - livedoor Blog 開発日誌
「プロフェッショナルブロガー応援プログラム(仮)」と呼んでいるのですが、平たくいうと、おもしろいブログが書ける人がそれだけで飯が食えるような状況をつくり出すのが理想です。
専業のプロフェッショナルなブロガーが、優良なブログを更新することだけで生活できるようになれば、書き手と読者とブログサービス提供業者の恩恵がともに最大化されるのではないかと考えています。
「好きを仕事にするlivedoor Blog」というコンセプトの実現は大変な道のりかもしれませんが、2009年にぜひチャレンジしていきたいと思います。
やりがいのある、楽しい仕事です。
また、EDGE Co.Labというプロジェクトでは「何切る!?」というサイトとプロ雀士の吉田光太さんとも、シナジーを生み出すような取り組みを追求しています(詳しくはこちら)。
さらに2009年は将棋とマジック・ザ・ギャザリングについてもそういう活動がしたいし、青空文庫さんのような文学への貢献にも興味があります。
これらはどこまでが会社の仕事でどこまでのが個人の活動が実はとてもあいまいだったりするのですが、そういうところも含めて、「ロールモデルは菊池寛」だと言い切ることにしました。
というわけで、2009年も何卒よろしくお願いいたします。
コメント
コメント一覧 (2)
恐らく、以前よりも、その実行が見えるようになったから、なのではないかな、人生経験のたまもののせいなのではないかと推測。
最近会ってないけど、もうあの頃からは何歩も進んだ大の字なんだろうな。
今年もよろしく!
こんなところであれですが、今年もよろしくw