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フェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグを描いた映画『ソーシャルネットワーク』を観てきた。
インターネットのサービスを提供する同じ業界を描いた映画としても楽しみだったし、『セブン』や『ファイトクラブ』のデヴィッド・フィンチャーの最新作としても楽しみだったんだけど、結論としても両面で満足した。

観にいった帰りのツイート。


以下はその補足。

インターネットのサービスの開発は、リンゴを作ったり車を作ったりするのと違って視覚的にわかりづらいので、「こういう仕事ですよ」というのが伝えづらい。だからたぶん、「なんか知らないけど一日中パソコンの前に座ってパタパタとキーボードを打っている」とかそんな感じで思われてるんじゃないかな。

でもこのソーシャルネットワークでは、インターネットのサービスの開発にともなう作業や喜びが、“フィジカル”に映像化されている。こんなのは、これまで見たことがなかった。

もちろん、誇張や脚色はあるけれど、僕らはまさに、日々こういう作業をし、こういう喜びを味わっているんだ! ということがちゃんと映像になっていた。自分の親や家族や友人が『ソーシャルネットワーク』を見たとしたら、多少の誤解は引き受けて、僕がやっているのはこういう仕事ですよと今後は言うことができる。

その意味で、『ソーシャルネットワーク』は同じ業界の人として、アンセムに思えた。

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ただし、映画そのものは、もっと皮肉に満ちた多層性を持っていて、一筋縄ではいかない感じ。

一番印象に残ったのは、マークが「ランチはサラダだけだったけどお腹すいてないか? 一緒に飯でもいかないか?」という気遣いの言葉をかけるシーン。マークという人物や、映画そのものの読みとり方を一次元増やすようなうまい脚本だなと思った。でも、それに続くエンディングテーマがビートルズの「Baby You're A Richman」という(笑)。

皮肉というかギャグというか、一筋縄ではいかない感じが、すごくよかったんじゃないかと思います。

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納得いかないところがあるとすれば、映画のタイトルのつけ方。正しくは、『ザ・フェイスブック』とか『マーク・ザッカーバーグ』とかだったんじゃないかな?

映画を楽しむ個人としては皮肉で『ソーシャルネットワーク』と名づけられていることに納得できるんだけど、正しい理解を広めたいと思う同じ業界の立場としてば、ちょっと残念。

なんにせよ、とてもおもしろかった。


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