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本棚に収まらなくなった本を処分していて、つい最近、少し逡巡したのはサッカー関連のノンフィクションのコーナー。読み返すことのなかった本ばかりだったので手放したっていいんだろうけど、青春の一時代の記憶と結びついていて、なんだか捨て難かった。

そのときは結局、金子達仁の単行本デビュー作『28年目のハーフタイム』だけを残してあとは全部処分した。そして今日、どんな内容だったかとふと読みはじめたら没頭して一気に読んでしまった。


28年目のハーフタイム (文春文庫)28年目のハーフタイム (文春文庫)
著者:金子 達仁
販売元:文藝春秋
(1999-10)
販売元:Amazon.co.jp
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金子達仁という気鋭のインタビュアーと、急成長を遂げようとしている日本サッカー界(の才能ある若い選手たち)が、奇跡的なタイミングで出会い、その青春の煌めきと蹉跌が凝縮された、二度とあり得ないような傑作だと思った。

この本で描かれる様々な選手、そして著者自身のその後の活躍(あるいは凋落)を知って読むと、さらにおもしろい。刊行から14年ほど経っているけど、この本は、照射する時間が長ければ長いほどおもしろくなる。10年後にまた読もう。