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東京編集キュレーターズ第4回(ゲスト・コルク佐渡島さん)に参加してきました。

この記事は、その個人的なまとめと、質疑応答の時間が足りなかったために質問し損ねた疑問を記録しておくためのものです。主観や疑問の入らない全文書き起しは、おそらく、NAVERまとめで公開されると思うので、まずは一次情報を手に入れて検討したいという人はそちらをご覧ください。


なるほどコルクはこういうことを目指しているのかと思う一方、うまい編集とは? というテーマとは少し離れたところに着地したように思います。
なぜか。



専属編集者がつくべき作家が100人しかいないということは、それに必要な編集者は10人(ひとりの編集者が10人を担当すると概算して)しかいないとも受け取れます。その他は、編集者が付く価値のない作家か、編集者がなくてもセルフでやっていける作家か、そのどちらか。

これは同時に、その100人を担当していない(あるいは、その作家を超一流まで導けない)編集者は必要ないという挑発的な発言にも読み取れました。もっと言えば、今後は自分(たち)のような超一流の編集者しか必要なくなると言っているに等しいとも受け取れるわけで、それは、よくありがちなネットと紙の対立構造ではなく、プロとアマ(あるいは超一流とそれ以外)という対立構造となる興味深い議論でした。

東京編集キュレーターズが「これからの編集とは?」「編集の民主化とは?」などをテーマに立ち上がったのを考えると、これはかなり挑発的なスタンスなわけで、その意味で、今回はかつてないくらい興味深い議論を含んだイベントとなりました。端的に言ってすごくおもしろかった。


時系列に沿ったツイートまとめ


















イベント全体を通して注意しなければいけないのは、単に「編集者」と言った場合でも「雑誌系の編集者」と「作家付き編集者」の2種類のどちらかを指しているケースがあり、さらに「エージェント業」としての編集者を指している場合もある、ということ。このあたりの曖昧さが、誤読の余地を残してしまっているので、あとからまとめだけを読む人はその点に気をつけてください。


疑問メモ


というわけで、疑問に思ったことをメモします。


漫画でも小説でも映像でも、クリエイターはすでに新人賞など関係ないところで作品を発表しまくっているので、わざわざ旧来型の新人賞の応募を行うことが超一流の100人を発見する近道には思えないのだけれど、そのあたりはどうなんだろう?

質疑応答の時間に余裕があれば、もっといろいろ聞いてみたかったなあ。


関連本


ニコニコ超会議2012 公認ガイドブック ニコニコ超会議に行く人の本を作ってみた (エンターブレインムック)ニコニコ超会議2012 公認ガイドブック ニコニコ超会議に行く人の本を作ってみた (エンターブレインムック) [ムック]
出版:エンターブレイン
(2012-04-02)

編集者という病い (集英社文庫)編集者という病い (集英社文庫) [文庫]
著者:見城 徹
出版:集英社
(2009-03-19)

関連リンク


プロとアマの境界線を聞きに行ったら「超一流以外はアマ」という区分だったでござる
「超一流のプロと、アマがいるだけだ」。プロアマ論の難しさ
東京編集キュレーターズ第4回に行って打ちのめされた
「超一流とアマがいるだけ」ならアマチュアが楽しくやれるようなインターネットができればいいのかも -東京編集キュレーターズの感想-


おしらせ


プロアマ論に関する最新の論考は、以下の本に収録されています。

セルフパブリッシング狂実録 - 誰でも作家時代の作家論セルフパブリッシング狂実録 - 誰でも作家時代の作家論 [Kindle版]
著者:佐々木 大輔
出版:焚書刊行会
(2013-05-09)


さらに関連リンク


大ヒット漫画を支える編集者・佐渡島庸平に聞く「プロとアマの境界線」
イベントの全文書き起こし。