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友人・田村からの紹介。音楽と教育に関するとてもフェアな本で、人にお薦めできる内容。洋の東西、流行の古今について、この本もやがて時代遅れになることまで織り込んだ謙虚さとフェアネスがあり、信頼できる。

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印象的だったのは、ひとつのミスで崩壊するクラシックの曲を「免震構造的に弱い」作品であるとする見方。一方、ケチャや宗教音楽を、ミスも飲み込む免震構造をもっていると考えると、よかれと思ってやっている音楽教育が音楽への苦手意識を生むことになっているとも考えられる、というような話。

そういえば、台湾の龍山寺に観光に行ったとき、参拝にきているおじいさんおばあさんたちが歌うお経の旋律に感動したことを思い出した。混雑して人の出入りが激しい境内で、お経が歌い継がれて、終わりも始まりもなく延々と続いていく。小さなお寺だから余計、それが空間全体に満ちて、すごい迫力。それは単なる信仰の現場なんだけど、音楽的に感動してしばしその場に呆然と留まっていたっけ。きみはピアノにのぼってONGAKU、ぼくはりんごかじってONGAKU。