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食関連の書棚を漁るのが楽しくなってきた。これは、谷崎潤一郎の著作のなかから食に関する文章を抜き出したアンソロジー。

2015-01-04-10-33-13

しかし、この本だけを取り上げて言うのではないけれど、西洋料理全般に関してのウンチクはことごとく役に立たない。文章がうまいのと、日本食に関しては確かなのとにだまされそうになるが、十数年ぶりに再読してその点がよくわかった。単純に、昔はうまいレストランやカフェといったものがなかったということだろう。谷崎潤一郎や池波正太郎がいま人気のイタリア、フランス、ロシア、ドイツあたりの料理、あるいはエイジングビーフのステーキなんかを出すレストランに行ったらぶっ飛ぶんじゃないかな。

あと、東京の食事に対するdisは本書の見ものです。なにも、タタミイワシのことをそんなに悪くいわなくてもいいじゃないか(笑)。