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料理をするうちに、それを盛り付ける器のことも気になりだした。考えてみれば、多くて日に三度も目にする器についてなんにも知らない。有田焼や九谷焼、そういうのは見聞きしたことがあるけれど、それ以外に「ああいう感じの器がすき」と表現する言葉を持たない。

というわけで、入門編として読んだのがこれ。

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全国各地の窯場と、その代表的なデザインがコンパクトに紹介されている。これを見ながら窯を巡って日本各地を旅行するのも楽しそうだなと空想するのも楽しい。そうじゃなくても、レストランで出される器や料理本に写る器を鑑賞する楽しさが増すのはいい。知っている言葉が増えると、見落としていたものに気づく。なるほど、あの器は波佐見焼というのか。一度わかると、同じものが次々と目に飛び込んできて、言葉が世界を広げる体験を味わえる。

ちなみに2枚目の写真がその波佐見焼。白山陶器やHASAMIがそれ。






こうした現代の道具から、貴重なアンティークまで、食器という日常品にとんでとない奥深さを感じておののいております。身近なところにものすごい世界があったと。
しかし一方で、柳宗悦の民芸運動が、ウィリアム・モリスのアーツ・アンド・クラフツ運動や、クリムトのウィーン分離派ともつながっているのがわかってくると、来るべきところに来たんだな変な納得感もある。「ていねいな暮らしオブセッション(笑)」にも、なかなか年季が入っているというか、なんというか。