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いしたにさんの「1000冊紹介する」に挙げられた幸田文の『きもの』。

http://mitaimon.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/36-a573.html

未読だったのでこの機会に手に入れて読んだ。内容についての予備知識はゼロ。それがよかったのが、驚いた。身にまとう着物の感触を伴奏にして、少女時代から新婚初夜までの気持ちをこうも鮮やかに歌いあげられるのかと。

2015-02-24-08-50-52

目で文字を追ううちに、皮膚の感触で主人公・るつ子の人生を追体験しているような気持ちになった。最後のシーンに描かれる、はぎとられる下着の感覚までもが自分の記憶のようだ。