96冊目 「ウォーク・ドント・ラン」 村上龍 村上春樹
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これもいちるさんが奇書として紹介していた、いまや貴重な対談本。『コインロッカー・ベイビーズ』を書いた後の村上龍と、『羊をめぐる冒険』を書く前の村上春樹が、いまでは考えられない自由さで文学論や人生観やセックスについて語っている。
http://kotoripiyopiyo.com/2015/04/murakamiharuki2014041401.html
村上春樹が、父親のことを話したり、子どもがほしい言っているのはめずらしく、こんな発言が出版されたのかと驚く部分多数。
もっとも心に残ったのは、村上龍が、毎日とろろ蕎麦を食べて散歩して息子とサッカーをしながらコインロッカーを書いていた日々の話し。春になったある日突然、いつもサッカーをしていた芝生がいっせいに青くなった瞬間に感じた悟りのような感覚。日常の風景から、普遍的な感覚をつかむ感性ね。そういうのたまあるじゃないですか。そのあたりが臨場感を持って語られてて、特に印象深かった。
あー、春と夏の間のいまの季節の日曜日。最高に気持ちいい。
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