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2017年9月を思い出すための数字

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9月は、最初の1日を最終出社日とし、残り19日を有給休暇の消化にあてた。その間、何をしていたのか。これはそのメモランダムです。

次に属する会社のメンバーとの顔合わせが合計7日。あたらしく16名と知り合った。

その他に取り組んでいる個人的なプロジェクトが3つあり、その打ち合わせが合計4日。あたらしく12名と知り合った。

家族で旅行に行った。上高地に1泊、沖縄では名護を中心に5泊、富士急ハイランドはトーマスランドを目的に1日。その他、旅行ではないけれど遠野には2度訪れ、最初は3泊、次は2泊した。また、あたらしい仕事の打ち合わせの合宿で千葉に1泊した。

葬儀が1度、挙式が2度あった。

それらの間を縫うように、高熱を2回出し、両方とも1日つぶして寝込んだ。

飲み会は送別会を含めて4回。昨年は年間で200回の飲み会があったのを考えると、別人のようだ。

体重は、1ヶ月前にくらべて3kg落ちた。それでも10年前の体重に比べると7kg重くなっているのがいま。

小説は五稿にリバイズし、前のバージョンより443文字増えて111,995文字になった。内容的にも文字数的にもターゲットにしていた新人賞からかけ離れたものになったので、なんらか別の方法で世に出したいと思うようになった。

4人の作家から15枚の皿を買った。うちリピートが2名。そのひとつ井口工房は、同僚のご家族だった。もうひとりの関口憲孝さんは岩手で作陶されてる方で、それをキーワードに3組4名の方と話が盛り上がった。

この数字を読み返したら、この9月に起こったことを後からまた詳しく思い出せそう。

10月からは、またちょっと環境を変えてがんばります。

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(過ごす時間が増えて大活躍した書斎)

夢の仕事について語るときに僕らの語ること

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お盆に帰省した際、近所の山をトレイルランしつつ目的地の神社を詣でておったところ、クマに遭遇しまして。向こうさんもびっくりしてすぐ藪の中に逃げたんですが、こっちもこっちで驚いて、お賽銭もあげぬまま苔だらけの踏み石を蹴り、飛び、転げるように下山しました。熊鈴もつけぬまま山に分け入って襲われた愚か者として名前を残すのは嫌だなとか、そういう体面を考える余裕はなかったんですが、「ここで死んでたまるか」とは思ったような気がします。

明日、2017年9月1日を最終出社日とし、本年10月末、LINE株式会社を退職いたします。

2005年からの5年間を株式会社ライブドアで、2010年からの7年間をLINE株式会社(買収当時NHN Japan株式会社)で、都合12年もの間、みなさまに大変お世話になってきました。この場を借りてご報告と、お礼を述べさせてください。本当にありがとうございました。

これはいわゆる退職エントリーというやつです。

これを書く心境になるまでに、いろんな感情を渡り歩きました。新たな目標を定めたときの奮い立つ気持ち、恋人に別れを告げるときのような不義理を詫びる気持ち、卒業生を代表して挨拶を読むときような清々しくも寂しい気持ち。いま振り返れば、どのタイミングで書いても、肩に力の入り過ぎたものになっていたように思います。力が入るのはもちろん悪いことじゃないけれど、それは、その言葉を伝えるべき人に面と向かって伝えればいいことで、ブログを使ってパフォーマンスすることじゃないよなと思います。だからここでは、肩の力を抜いて、いま心に浮かんだことだけを書いて、そのまま終わります。

退職の意思を伝えたあと、みな僕に「どうして?」とたずねました。僕はなるべく正直に答えようとしましたが、それはキャッチボールのようなもので、相手の反応によって投げるボールが違いました。みなで寄り集まって答え合わせをしたらまったく違う内容になると思いますが、それらの答えのどれもこれも、僕が投げられるだけの正直なボールです。そうご理解ください。

そういう態度で臨むと、相手も僕に正直なボールを投げ返してくれるんですね。長く付き合ってきても、これまで知ることのなかった正直な話。それは夢の仕事についての語りです。今の自分が決して偽りではないけれど本当に思っていることはこうなんだ、と。これはネガティブな話ではなくてです。現実逃避や、ワークライフバランスというお題目の悪い側面ではなく、夢と現実を融合させて人生を歩もうとする力強い言葉として、語ってくれるんです。僕は図らずして、そうした言葉を寄せ付ける媒介に(いまのところ)なったというわけで、その立場を楽しんでいます。

それについて、在職中にもっと胸襟を開いて語り合えたのではと思わないこともありませんが、まあ、望むべくもないことでしょう。そんなことばかりを語り合ってもいられないし、職業上の信頼関係があったからこそいまになって語ってくれることでもあることを思えば、ときたまこうした機会があるだけで十分であり、そうした正直な言葉は一度でも聞けば生涯に渡って忘れることはありません。

ソーシャルネットワークでつながりの途切れない時代とはいえ、退職というのは、どんなに取り繕ったって一緒に過ごす時間が激減することを意味するわけで、これからはどうしたって疎遠にならざるを得ません。そうした寂しい気持ちに支配され、退職エントリーなんて書く気になれないこともありました。
でもいまは違います。僕は正直に夢を語った。相手も正直に夢を語ってくれた。そういうプロセスを経たいま、つながりはかえって強まったという気がしてます。会う回数や交わす言葉は確かに減るだろうけど、そのつながりはいつでも、艱難辛苦をともにした日々を思い出させてくれるし、語り合った夢がこれからの毎日を潤してくれるだろうと思います。

いま僕が言う「夢」というのは、スティーブ・ジョブズやイーロン・マスクが語るようなビジョンではありません。もっとケチな話で、それは、難破した船から夜の海に放り出されるときに、肉体と精神の生存のためにぎりぎりの決断をして、これしか持ち運べなかった、というようなものです。海に浮かぶための板切れ、首からぶら下げる家族写真の入ったペンダント、信仰心を示す聖書、そしてもし手近にあれば残酷な太陽から逃れるための麦わら帽。それくらい。売っても利益にならないし、地上で屋根の下にいる他の誰も欲しがらないもの。けれど、衣服やお金をすべて捨てでも、それだけは持ち出さざるを得なかったもの。それが僕の(そして僕に正直に語ってくれた人々の)夢です。僕にはこれしかなかったんだ。僕にはこれだけあれば十分なんだ。そう思えるものだけ持って、再出発します。

というのはちょっとキザすぎる言い方で、年齢なりに身につけたずる賢さやクレバーさも使ってサヴァイヴしたいと思います。そうじゃなければ「こいつ大丈夫か?」と思われるはずなので、そこも正直に書いておきます。

ライブドアとLINEでは、まさに夢の仕事が実現できました。こんなに幸福なことはありません。幸せな時間を長く過ごしてこられました。それはもちろん、組織がもつカルチャーや、メンバーが示す深い理解があってのことで、それはいまも変わりません。素晴らしい環境でした。変わったのは自分のほうで、それはポジティブに成熟や成長だと受け止めていますが、それにあわせた次の挑戦や飛躍をしたいと思うようになりました。そしてそれさえも(私の身勝手な想いさえも)、笑顔で励まして送り出してくれるみなさんに、ただただ感謝しています。本当に、仲間に恵まれた、素晴らしい環境でした。

最後に。

ブログというのは、予言を達成する自己実現ツールだと思うので、恥ずかしげもなく(むしろ恥ずかしがっちゃいけない)夢についてのキーワードを書き記しておきます。

・板切れ = インターネット
・ペンダント = 遠野
・聖書 = 小説
・麦わら帽 = マジック・ザ・ギャザリング

この夢は、他の誰でもなく(ましてクマなんかではなく)僕が食うんだ。そういうつもりで、次の12年間を方向づけるステートメントとして正直に書きました。口は災いの元じゃないよ。幸せの元です。

次のことは、近々お伝えできるタイミングになったときにあらためてご連絡します。
多くのことを言えなくてごめんなさい。

以上。
これが今生の別れではないので、挨拶はあえてぶっきらぼうに言わせてください。
じゃあまた明日。

関連リンク


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夢の仕事を掴むため / Mark Rosewater

LINE LIVEで会える(逢える)お薦め21人のリンク集

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(LINE LIVEの事例。有名人の場合)

たくさんメールを交わしていると、ひさしぶりに会ってもそんな感じがしない。
そんなことってありますよね。

そういう関係の人とは「ひさしぶりー。最近どう」からはじまる会話じゃなくて、「あのときどうだった? 実はこうでさ」という近況の続きから会話がはじまる。で、「そういえば実際に会うのって1年ぶりだよね」みたいになる。

メールやチャットやSNSやメッセンジャーは、そんな風に人をつなげてしまう道具としてあって、これからも選択肢は増えていくと思いますが、いま自分のなかでホットなのは、なんといってもライブ動画です。

私がいまLINE LIVEというサービスをやっているからどうしてもそう思えてしまうところはありますが(つまりポジショントークだと十分にわかってはいますが)、それでも、いちユーザーとして興奮しているのは本当で、そのおもしろさをなんとか伝えたいと思って書きます。

* * *


(LIVE LIVE事例のイメージ。トップ常連の人気配信者)

動画を配信している人はたくさんいて、これまでにも何度となくそうしたものを見て楽しんできましたが、よいLINE LIVE(以下、LIVE)を見たあとは、それらともちょっと違った手触りが残るんですよね。気に入ったLIVEを翌日になって思い出すとき、「そういえば昨日、あの人に会ったな」って気がするんですよ。見た、じゃなくて、会ったという感じがする。ふとそういうことに気づきました。

もちろん、物理的に会えてるわけじゃないんだけど、LIVEを通じて親密な時間を一緒に過ごすと「会った」のと同じような体験として記憶されるんです。それが特に素晴らしい体験だった場合などは、会ったではなく「逢った」とでも書きたいような気持ちになります。

何を大袈裟なと思うかもしれませんが、それは「頻繁にLINEしてたから1年ぶりに会うのにそんな感じがしない」という気持ちが発生するのと同じような理由で、サービスを通じて会えているんですよね。実際のところ。

そのLIVEがどんなものか。以下に個人的な体験を3つ紹介します。

1. 子どもを寝かしつけたママとの逢瀬



(LIVEの事例。この段落の内容とは関係ありません)

時間は、昼間の3時か4時。会議の合間のちょっとした時間にスマホを手にとったら、子どもを寝かしつけたばかりだというママが、寝室からLIVEをはじめました。

横には子どもが寝ており、大きな声は出せない。もう間もなくすると、上の子を保育園にお迎えに行った夫が帰ってくる。育児の間にちょっとした息抜きをしたいんだけど、中途半端な時間だから友達を自分都合のおしゃべりに引きづり込むのも気が引けて、ちょっとの時間に遊べるものを探していた。LIVEを見ていると、そんな状況がわかってきました。

私も小さい子を持つ親として、子どものお昼寝中にだけ訪れる束の間の休息のありがたさや、解放された気持ち(でも子どもが起きたらまたすぐ育児に戻らなければならない緊張した気持ち)はよくわかるので、共感しながらコメントし、そこに会話が発生しました。

寝室というプライベートな空間、お互いが手に握りしめたスマホをはさんだ親密な距離感、隙間時間が重なった偶然、そして育児という共通の話題。初めて「会った」知らない人のはずなのに、短い時間でお互いが小さくない励ましを得て、そのときのLIVEは終わりました。

これを逢瀬と言うのは大袈裟かもしれませんが、夫が帰ってくる気配がしたときに感じたざわついた気持ちは、つまりあれのそれでした。それはそのとき一回限りのことでしたが、会ったという手触りはいまも強く残っています。ちなみにその配信者が誰かは教えられません。あしからず。

2. イジメ被害者のグループカウンセリング


こちらの場合も、配信者が誰かは教えられません。教えられない理由は、内容がイジメに関係するものだからなのですが、「ブログに書かれることでイジメが過激化してしまうことのないように」という心配よりも、「そのときのLIVEのタイミングだからこそ打ち明けてくれた秘密を他の人に明かすわけにいかない」、という気持ちのほうが強いです。

何気ない会話ではじまったLIVEは、視聴者の応援を得てだんだんと打ち解けた雰囲気になり、これまで両親にも教師にも友達にも打ち明けたことない悩みの告白になりました。最初のうちは涙目程度だったのが、自分の本当の気持ちを話しはじめてみると、堰を切ったように感情が溢れ出てきて、涙と洟が止まらない。

誰かが自分の目の前で(実際に目の前に居るわけじゃないのに、本当にそう感じられる)こんな風に感情を爆発させて嗚咽することなんて、自分の人生の中でもそう何度もあることじゃないので、動揺したというか、どうしようもなく胸を締めつけられるような思いがして、握りしめたスマホから目を離すことができませんでした。

これを見た人みんながきっと同じ気持ちになったんでしょう。視聴者があたたかいコメントで励ましてくれたことで、LIVEはポジティブな雰囲気を取り戻して終わり、その人はその後も継続的に配信しています。

これをカウンセリングと言うのは大袈裟だけど、LIVEによって生まれた傾聴と受容の機会が、物事をちょっとでも良い方向に変えられた気がして、いち視聴者として印象的な内容だったのはもちろん、サービス提供者の立場としても「こんなことまで実現できるサービスだったんだ!」という嬉しい驚きに打たれたLIVEでした。

3. 高校生たちとのお弁当休憩、そしてタイムスリップ



こちらは紹介できるやつ。お昼休みの学校の教室。高校生ふたりがお弁当を食べているときにはじまったLIVEです。

私からすると、20歳くらい年が離れている今時の高校生の様子自体が興味深くて、最初のうちは観察するような目で見ていました。ところがふたりの絶妙な掛け合いにどんどん引き込まれるうちに、自分もすっかり高校生に戻ったような気分になっていったんですね。お弁当を食べ終えベランダに移動する頃になると、自分もそこにいるような、ノスタルジーのようなデジャヴのような、言いようのない気持ちになったんです。

これをタイムスリップと言うのは間違いなく大袈裟だけど、そのときの風や温度や湿度が、スマホの画面を通じてこちらまで届くような、そんな感じがしました。比べるものじゃないことを承知であえて言えば、『君の名は。』を見終わったときよりもこのLIVEのほうが、人に熱く語れる自信があります。なぜならそれが、自分事の体験だからです。

* * *

これらLIVEの事例を通じて思ったのは、「VRヘッドセットがなくたって、現実と感じられるじゃないか」ということでした。データがプアでも、情報として足りない部分は記憶や想像力が補ってくれるので、脳はそれを体験したと錯覚し得る、というわけです。

つまりライブ動画の価値の本質は、それが視聴者にとってのリアルな体験になる、ということなんだろうと思っています。「見た」という受容の体験ではなく、「会った」に近しい自分事の体験です。

コミュニケーションとしてのライブ動画



(LINE LIVEの事例。ネット世代の新星セレブも利用)

端末の性能と回線の速度があがったおかげで、現在は動画サービスの花盛りです(これからもっともっと盛り上がるでしょう)。それらは「動画元年」といったワードで何かと一括りに語られますが、思うに、動画サービスには2種類あります。

ひとつは、映画やドラマのように、完成されたコンテンツを受容するための動画サービス。映画館やテレビやDVDの延長としてのGYAO!/Netflix/Hulu/Tver/AbemaTV等です。
もうひとつは、手紙や電話の延長にあるもので、誰かとのコミュニケーションの手段として動画を採用しているサービス。ニコ生/ツイキャス/Showroom/Facebook Live/LINE LIVE等です。

これらのサービスやコンテンツを見ていくと、現時点では共通点の方が多く挙げられるかもしれませんが、わずかにある相違点が本質的なところで大きな違いを生み出しているように思えます。
たとえばLINE LIVEの場合、配信時間に関してよくこんな質問を受けます。

「LINE LIVEではどれくらいの配信時間が最適ですか?」

それが映画やドラマなら1時間〜2時間でしょうし、流行りの分散型動画なら数十秒から1分程度ということになるでしょう。また、動画を離れて隙間時間の潰し方で考えると、ゲームの1クエストも、無料マンガの1話も、だいたいが数分から10分以内の単位でコンテンツが考えられています。

では、コミュニケーションを重視するライブ動画の場合は何が比較材料になるのか。

私の考えでは、道でばったり知人と会ったときの数分間の立ち話、あるいは、お昼休憩に誘いあって出かける3〜40分のランチ、あるいは打ち上げの二次会で親しいもの同士が集まって終電まで粘ってしまうときの1時間ちょっと。そんな感覚に近いんじゃないかなと思います。幅はかなりありますが、どんな内容で、どの時間帯に配信するのかを考えると、最適な配信時間の基準になるんじゃないかと思います。

これは一例ですが、基準をコミュニケーションの側に置いているというのが、自らを動画コミュニケーションプラットフォームと定義付けている「いまの」LINE LIVEの考え方です。

ラジオの歴史から考えるライブ動画



(LINE LIVEの事例。アーティストも縦型対応)

ここで「いまの」とあえて強調したのは、ライブ動画にもその時その時のフェーズがあるだろうと思っているからです。メディアの歴史を振り返ってみると、ラジオが非常的です。

まるで自分が見てきたことのように語るのを許して欲しいんですが、ラジオの技術は、もともとはユーザーによるコミュニケーションの道具として活性化していったものです。現代でも愛好者が多いアマチュア無線なんかですね。

それが進化していく過程で、ラジオ放送局というマスメディアが登場します。そこで最初に大衆的な成功につながったのは、発明家のリー・ド・フォレストが夢見たクラシックコンサートの中継ではなく、ジャズだったそうです。聴覚にだけ訴えるラジオのメディア特性が、肌の色を問うことなしに優れた音楽を世界に解き放つのに一役買った。そしてそれが、コンテンポラリーミュジックの世界を決定的に変えてしまった。

こういうエピソードを聞いて、初音ミクやYouTuberや生主のことを思い出さないサービス運営者はいないと思います。ユーザーのコミュニケーションから始まったサービスが、やがて世界を席巻するカルチャーを生んでいく。その可能性に本当にワクワクするし、励まされます。

というわけで、先ほど「いまの」と限定したのは、ライブ動画自体がまだ、ラジオでいえばアマチュア無線の段階にあると思うからです。それが広まっていった未来には、思わぬものが登場して、マスメディア的なものだとか映画・ドラマ的なものだとか、受容を重視するものを目指していくフェーズがあるのかもしれません。

* * *

とはいえいまは、コミュニケーションとしてのライブ動画にこだわっています。戦略以前の純粋な気持ちとして、何よりそれが楽しいからです。

サービスを運営をしていて楽しいのは、メンバーの誰かが「こんな素晴らしいLIVEがあったんですよ」と教えてくれる瞬間です。そのときの語り口には、良い映画を見ましたとか、良いドラマを見ました、というのともまた違った自分事の体験ならではの熱量が感じられるんですよね。
それが映画であれば、『シン・ゴジラ』のような作品は年にひとつあればいいほうですが、素敵な人に出会う体験は、それこそ人の数だけ存在し得て、そうした機会が数多く生まれる現場にいられるというのは、本当に運営者冥利に尽きます。一度やったら病みつきになります。

お薦めリンク集


さて、ずいぶん長くなってしまいました。

最後に、私のお薦めとして記事の途中で掲載してきたLIVEの事例を、リンク集として掲載して終わりにしたいと思います(スマホで開くとアプリからフォローできます)。


木下優樹菜
https://live.line.me/r/channels/27927
ダレノガレ明美
https://live.line.me/r/channels/19439
北川景子
https://live.line.me/r/channels/235
中島美嘉
https://live.line.me/r/channels/19909
あひる
https://live.line.me/r/channels/19918
口口口口
https://live.line.me/r/channels/25242
Little Colours
https://live.line.me/r/channels/25895
MIAKA
https://live.line.me/r/channels/21185
酒井治美
https://live.line.me/r/channels/13577
迫畠彩
https://live.line.me/r/channels/17106
Saya
https://live.line.me/r/channels/17748
まりん&ゆうり
https://live.line.me/r/channels/10135
ちく
https://live.line.me/r/channels/24937
りゅうちぇる
https://live.line.me/r/channels/67
ぺこ
https://live.line.me/r/channels/134
りんか&あんな
https://live.line.me/r/channels/20789
へえ
https://live.line.me/r/channels/5785
ゆっこママ
https://live.line.me/r/channels/19383
WHITE JAM
https://live.line.me/r/channels/111
minmi
https://live.line.me/r/channels/22312
erica
https://live.line.me/r/channels/13707


以上。

にしようと思っていたら、私の趣味には偏りがあるようで、他のLINE LIVEのメンバーからも「全然わかってない」「これも入れろ!」と熱い推薦がありましたので、それらも載せておきます。


プラネットオシリス
https://live.line.me/r/channels/55
マッタリターイム
https://live.line.me/r/channels/24654
Ayano
https://live.line.me/r/channels/1191
おん
https://live.line.me/r/channels/21576
あやもん
https://live.line.me/r/channels/16148
元松美紅
https://live.line.me/r/channels/14362
mir
https://live.line.me/r/channels/13476
みやゆう
https://live.line.me/r/channels/11708
市野水菜
https://live.line.me/r/channels/3164
Garance
https://live.line.me/r/channels/17686
あやもん
https://live.line.me/r/channels/16148
かづさ
https://live.line.me/r/channels/6950
しゅー。
https://live.line.me/r/channels/5891
ゆきりぬ
https://live.line.me/r/channels/1641
ROZE MARINA
https://live.line.me/r/channels/11186
YUK!TO
https://live.line.me/r/channels/10646
TKC.jp
https://live.line.me/r/channels/4979
マシロンケーキ
https://live.line.me/r/channels/13464
Ryuji@あんどりゅー
https://live.line.me/r/channels/3387
シンディ
https://live.line.me/r/channels/3656


以下は、有名人系。


@SunCafe
https://live.line.me/r/channels/913
B2takes!
https://live.line.me/r/channels/350
Call Me!
https://live.line.me/r/channels/16495
DECO*27
https://live.line.me/r/channels/22283
Gacharic Spin
https://live.line.me/r/channels/25405
LAMP IN TERREN
https://live.line.me/r/channels/794
M.S.S Project
https://live.line.me/r/channels/315
MAGIC OF LiFE
https://live.line.me/r/channels/581
QunQun
https://live.line.me/r/channels/668
Rush×300
https://live.line.me/r/channels/351
Ryutaro Morimoto
https://live.line.me/r/channels/798
Silent Siren
https://live.line.me/r/channels/825
SOLIDEMO
https://live.line.me/r/channels/656
SPiCYSOL
https://live.line.me/r/channels/23307
Toshi & Lithi
https://live.line.me/r/channels/624
UNIONE
https://live.line.me/r/channels/731
WEBER
https://live.line.me/r/channels/780
Xmas Eileen
https://live.line.me/r/channels/111
あむちゃん!
https://live.line.me/r/channels/981
アメリカザリガニ
https://live.line.me/r/channels/143
オメでたい頭でなにより
https://live.line.me/r/channels/21915
しずく
https://live.line.me/r/channels/912
ジャルジャル
https://live.line.me/r/channels/121
たんぽぽ
https://live.line.me/r/channels/22065
ツキクラ
https://live.line.me/r/channels/616
とにかく明るい安村
https://live.line.me/r/channels/122
ブレイク☆スルー
https://live.line.me/r/channels/20888
みうめ
https://live.line.me/r/channels/25859
ゆうたろう
https://live.line.me/r/channels/488
仮面女子
https://live.line.me/r/channels/421
空想委員会
https://live.line.me/r/channels/416
栗城史多
https://live.line.me/r/channels/24893
高橋直気
https://live.line.me/r/channels/631
佐藤健
https://live.line.me/r/channels/702
上地雄輔
https://live.line.me/r/channels/789
杉恵ゆりか
https://live.line.me/r/channels/21523
斉藤平七(へえ)
https://live.line.me/r/channels/5785
石川綾子
https://live.line.me/r/channels/671
石田晴香
https://live.line.me/r/channels/803
中島美嘉
https://live.line.me/r/channels/19909
超特急
https://live.line.me/r/channels/38
天津向
https://live.line.me/r/channels/824
東京女子流
https://live.line.me/r/channels/563
内山愛
https://live.line.me/r/channels/369
乃木坂46
https://live.line.me/r/channels/733
Da-iCE(ダイス)
https://live.line.me/r/channels/963
AKB48グループ
https://live.line.me/r/channels/26
Juliet
https://live.line.me/r/channels/311
LinQ
https://live.line.me/r/channels/438
ROOT FIVE
https://live.line.me/r/channels/910
ROZE
https://live.line.me/r/channels/267
XOX
https://live.line.me/r/channels/47
アキシブproject
https://live.line.me/r/channels/574
たこやきレインボー
https://live.line.me/r/channels/818
田村淳
https://live.line.me/r/channels/248
堂珍嘉邦
https://live.line.me/r/channels/70
むすめん。
https://live.line.me/r/channels/869
吉田山田
https://live.line.me/r/channels/609
吉田早希
https://live.line.me/r/channels/446
近藤晃央
https://live.line.me/r/channels/683
倉持由香
https://live.line.me/r/channels/445
蛇足
https://live.line.me/r/channels/119
佐野和真
https://live.line.me/r/channels/688
出雲阿国
https://live.line.me/r/channels/606
217
https://live.line.me/r/channels/336
前園真聖
https://live.line.me/r/channels/46
五郎丸歩
https://live.line.me/r/channels/96
遠藤保仁
https://live.line.me/r/channels/843
ナオト・インティライミ
https://live.line.me/r/channels/26341


今度こそ以上です。
お気に入りを見つけて、ぜひ実際に会って(逢って)お楽しみください。

94年から95年にかけての坂本龍一のライブはいま観ても素晴らしかった

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スコラ 坂本龍一 音楽の学校』を観ていて、「これって本当に坂本龍一じゃなきゃできない、坂本龍一のための企画だよなあ」とあらためて深く感じ入りました。なぜなら、この番組で取り上げている多様な音楽を、彼は本当に、机上の空論ではなく自らの作品とし、しかもそれをポピュラー音楽として統合する試みまでしてきたからです。

最新シリーズでは「日本の伝統音楽編」が放送されています。過去には、「電子音楽」「アフリカ音楽」「映画音楽」「ロック」「ジャズ」「クラシック」などがテーマになっていて、このままだと「カントリー」と「へヴィメタ」以外はすべて網羅しちゃうんじゃないかという勢いですが、それらの要素をごった煮で楽しめるのが94年から95年にかけてライブです。オリジナルアルバムでいうと『Sweet Revenge』から『SMOOCHY』まで、ツアータイトルでいうと『Sweet Revenge Tour』から『D&L』まで。



当時も熱狂して聴いていたけど、時が経ちやがて聴かなくなって20年。ふと思い立って聴いてみたら、ちっとも色あせてなかったことを発見しました。その感激でもってこの記事を書きます。戦メリとエナジーフローで大儲けしたエコ&脱原発の女ったらしインテリくそ野郎なんかじゃないんだから!


Moving On

残念ながらライブ映像が見つからず。気になる人はぜひDVDで。
アフリカンアメリカンの影響がもっとも色濃い時代の作品で、なかでもそれを象徴する代表的トラック。一度聞いたら忘れないSP1200の12ビットのローファイなサンプリングのイントロに、ソウルというかハウスな歌声に弦楽器が絡む。消そうとも消せない坂本印が刻まれた名曲。




Reglet

こちらは映像あり。Moving Onから連続した作品です。これまた素晴らしいトラック。この流れが好きならアルバム『Sweet Revenge』を買って間違いなし。おすすめはもちろんライブ版。




羽の林で

これはアルバム『音楽図鑑』収録の古い曲なんですが、95年のライブで再演された貴重なバージョン。あまりのかっこよさに伝説となった演奏です。一生ついていこうと思ったよね。
国籍不詳のニューエイジっぽい曲調に、ハードロック的な重たいドラミングとNord Leadの即興演奏が重なって、どこにもない、ここにしかない曲になっています。




A Day in the Park

ハウス的とも言えるけど、ビートはよりアフリカンにゴロゴロ鳴っていて、一聴したポップの奥深くに工夫をこらしたサウンドプロダクションが感じられる人気曲。これと近いような作品に「Heartbea」がありますが、こちらに軍配があがるんじゃないかな。これがお好きな人はそちらもどうぞ。




Behind the Mask

おまけ。YMO時代の曲を95年にやるとこうなります。普通にはちょっと伝わりづらいですか、これが坂本流のロックンロールとでも言うべき曲。個人的にはオリジナルのほうがずっと好きだけど、いつの時代にも演奏されるこの曲はそのときどきの坂本の嗜好の風向きを示す風見鶏として貴重なので紹介しました。




今回は、あえて同じタイプの曲を並べましたが、実際のライブのセットリストはもっと多様です。「戦メリ」「ラストエンペラー」「Sweet Revenge」といったピアノ曲や、「美貌の青空」「TANGO」といった南米音楽からの影響を消化したポップスなどなんでもござれ。坂本龍一という糊(グルー)がいなければ、こんなごった煮のライブはとても聴けなかった。それは本当に確かだろうと思います。

ちなみに、この時期以降の坂本龍一は、アントニオ・カルロス・ジョビンにより傾倒していったりしつつ、やがて名作アルバム『CHASM』に至るのですが、それはまた別の話。

DVDで観るなら


“sweet revenge”Tour 1994 [DVD]
坂本龍一
フォーライフ ミュージックエンタテイメント
2000-10-18


Sweet Revenge Tour

1. ムーヴィング・オン
2. 二人の果て
3. リグレット
4. パウンデイング・アット・マイ・ハート
5. ラヴ・アンド・ヘイト
6. スウィート・リベンジ
7. アンナ
8. サイケデリック・アフタヌーン
9. メリー・クリスマス・ミスター・ロレンス
10. M.A.Y.イン・ザ・バックヤード
11. トリステ
12. ウィ・ラヴ・ユー
13. シェルタリング・スカイ
14. ハートビート
15. 7セカンズ


D&Lライブ・アット武道館11・30・95 坂本龍一ツアー95D&L WITH 原田大三郎 [DVD]
坂本龍一
フォーライフ ミュージックエンタテイメント
2003-11-26


D&L

1. 美貌の青空
2. 愛してる,愛してない
3. Tango
4. 真夏の夜の穴
5. リハーサル
6. ブリング・ゼム・ホーム
7. ザ・ラスト・エンペラー
8. Rio
9. メリー・クリスマス・ミスター・ロレンス
10. 羽の林で
11. ネット・ライヴ
12. 電脳戯話
13. バレット・メカニック
14. ア・デイ・イン・ザ・パーク
15. Insensatez
16. センチメンタル
17. ハートビート
18. Ongaku
19. ビハインド・ザ・マスク
20. 美貌の青空(スペシャル・ヴァージョン)

受け入れ難きを受け入れる 〜 『ラブ・ネヴァー・ダイズ(オペラ座の怪人2)』についてあれこれ考えてみた

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『オペラ座の怪人』(アンドリュー・ロイド・ウェバー版)に思い入れのある僕が、続編の『ラブ・ネヴァー・ダイズ』を観た結果、当然、しらけたよね。まさにこんな感じ。


あの物語を丁寧に読んだ人にとって、とても許容できない展開。正直、観なかったことにしてしまいたい……。

もちろん、いくらアンドリュー・ロイド・ウェバーの手になる正当な続編だとはいえ、僕たちはそれを黙殺することができます。プライベートな鬱屈のはけ口を創作に求めたご老人が晩節を汚す駄作を書いてしまったのだと思えばいいんです。

が、しかし。

なぜこの続編が受け入れ難いのか、そしてまた、どうだったら満足できたのかを考えることは無駄ではないはず。考えたところで『ラブ・ネヴァー・ダイズ』の評価は変わらないでしょうが、『オペラ座の怪人』をより深く理解する助けにはなるかもしれません。

ファントムとクリスティーヌに肉体関係はあったのか?


そんなわけあるかよ。というのが率直な感想なのですが、まずはその根拠を純粋に作品の中に求めてみましょう。

結局ラストで、ファントムはクリスティーヌの肉体をも求めていたわけですが、英語歌詞を知るまでは「飢えた悪魔のえじきの私」って、クリス、言い過ぎだよ、でした。ファントムの「醜くゆがんだこの顔 それが私をこうした」の「こうした」は性格的なことで肉欲まで含んでいるとは思いもしません。

…denied me the joys of the flesh,,,
日本語「醜くゆがんだこの顔」

直訳すると「(この運命は)肉体の喜びをも拒むのだ」
意訳としては「肉体の欲望が受け入れられることはなかった」


少々生々しさはあるものの、ここで肉体的なものを押し出すことで、最後の最後、ファントムが威厳と誇りとクリスティーヌとの精神世界を選ぶことが引き立つのかな、と思うようになりました。

Well Read in Phantom ♯5 - 『オペラ座の怪人』は凄いし、好き。

まさにその通りで、肉体関係がなかったと思えばこそ、クリスティーヌの最後のキスが尊い意味を持つわけで、こっちは当然そういう話だと思って観てたよね。



ちなみに、上の紹介した記事の後半には、ファントムとクリスティーヌとラウルの三重唱を、原点の英語歌詞から読み取る試みがなされていますが、言葉と一緒にメロディも蘇ってきて鼻の奥がツンとしてくる……。「Lead me, save me from my solitude...」のあたりとかもう。

しかし一方で、同じ作品の中から読み取るのでも、「肉体関係はあった」とする人もいます。

結論から言うと多分あったのだろう。
ファントムは登場シーンでクリスティーヌを「私の宝もの」と歌う。英語では「my triumph」であり直訳すると「私の勝利」だ。彼は作中でオペラを創作する。その作品名は「ドンファンの勝利(DON JUAN TRIUMPHANT)」だ。内容は殿様であるドンファンが召使のパッサリーノを使って自らの性欲を満たして行くというものだ。作中でクリスティーヌ演じるアミンタが自宅に呼ばれる。アミンタはドンファンにとっての「勝利(triumph)」というわけだ。これは音楽の天使を操り(または自らが扮して)クリスティーヌを手中に納めたファントムと酷似する。ドンファンとパッサリーノの関係はファントムと音楽の天使との関係に相似し、「勝利」が性的な対象を意味する。

ファントムとクリスティーヌの肉体関係 - オペラ座の怪人、点と線

僕の考えでは、この劇中劇は性愛の代理行為に過ぎないと思いますが、ファントムとクリスティーヌに肉体関係があったかどうかは暗示的な言葉で巧妙に煙幕がはられ、決定的な描写は避けられています。そのため、ふたりの間に肉体関係がなかったとは断言できず、「やっちゃってるんじゃないの」と思って観るのも間違いだとは言い切れません。こうした見方に説得力を与えるにはかなり強引な解釈が必要だと感じますが、それを完全に否定するだけの材料もまたないんですね。

no title

では、作品の外側から読み取ることはできるでしょうか。
自分はまったく気づきませんでしたが、映画版『オペラ座の怪人』にはこんなほのめかしがあったようです。

唯一、「もしや?」と思うシーンは、ファントムが最初にクリスティーヌを隠れ家に連れて行ったとき、彼女はウェディングドレスを着せられた自分の等身大の人形を見て倒れ、ファントムがベッドに運ぶのですが、彼女が目覚めたとき、隠れ家にきたときに履いていたガータストッキングを履いていなかったところ。

ファントムの愛と性 - Something Blue ...

もうひとつ。Susan Kayが書いた小説『ファントム』(自分は未読)には、以下のようなシーンがあるそうです。

隠れ家でファントムがオルガンでこの曲を演奏したとき、ファントムによって別室に閉じこもるよう命じられたクリスティーヌがそれを聞いて、性的なファンタジーに浸るのです。ファントムがなぜ彼女を部屋に閉じこめたかというと、性的欲望に負けそうになったためです。そしてこの曲を演奏することで「音楽で犯した」と書かれています。

ファントムの愛と性 - Something Blue ...

「ファントムとクリスティーヌに肉体関係はあったのか?」という問題は、さまざまな作家や演出家の創作意欲を刺激するモチーフなんでしょうね。あってもおかしくはない、という想像の余地を残す演出。なかったんだけど、それより過激な代理行為をさせる演出。さらには、クリスティーヌとの間にはなかったんだけどマダム・ジリーとの間にはなにかあったかもよ、とする演出まであるそうです(どの作品のことか未確認)。



しかしいずれの場合も共通するのは、「肉体関係があったという決定的な証拠はない」ということであり、「プラトニックラブとエロスの間の煩悶こそがこの作品の根源的な魅力のひとつである」、ということになろうかと思います。

……と、このように考えたところで、結論は第一印象と変わらないんですけどね。駄作です。

『ラブ・ネヴァー・ダイズ』が受け入れ難いたったひとつの理由は、ファントムとクリスティーヌがあの夜(「ミュージック・オブ・ザ・ナイト」のあの晩)の肉体関係を認めてしまったことにあります。そのせいで、絶妙なバランスの上に成り立っていた過去の『オペラ座の怪人』の演出がすべて台無しになってしまうという……。

めちゃくちゃすぎて逆におもしろいっちゃおもしろいんですが、受け入れ難きを受け入れて『ラブ・ネヴァー・ダイズ』を楽しむために、どうだったら満足できたのかもうちょっと考えてみました。

親子関係こそ続編のテーマにふさわしかったのでは?


『オペラ座の怪人』は、ファントムとクリスティーヌとラウルの三角関係が物語の中心でした。しかるに、『ラブ・ネヴァー・ダイズ』でその三角関係を繰り返してどうするんでしょうか。ファントムとクリスティーヌの息子・ギュスターヴを登場させるのであれば、それを中心にして各登場人物に別の角度から光を与えるべきだったのでは。

「親子」というキーワードを使うと、前作では深く掘り下げられなかったいくつかの人間関係が浮き上がってきます。

1. ファントムと、彼を見世物小屋に売りとばした母親
2. クリスティーヌと、バイオリン奏者の父親
3. メグ・ジリーと、母親のマダム・ジリー


まだあります。血のつながりのない親子関係です。

4. ファントムと、彼を見世物小屋からひろった代理母としてのマダム・ジリー
5. クリスティーヌと、父親の影をまとって登場する音楽の天使(ファントム)
6. ギュスターヴと、ラウル


これらをもっと掘り下げてみたらどうだったんでしょうね。

そうするとたとえば、ファントムがクリスティーヌのためにあたためていた曲「Love Never Dies」は、ファントムに向けてではなく、死にゆく母・クリスティーヌが愛息・ギュスターヴのために歌うのかもしれません。

また、アンドリュー・ロイド・ウェバーの恨みを買ってしまったせいなのか知りませんがいいところなしのラウルには、血を超えた親子の絆を示すためにもギュスターヴをますます愛してやってほしいところ。酒を断ち、ファントムからギュスターヴを取り返し、悲劇の連鎖を断ち切ってあげましょう。

そしてファントムは、はじめのうちクリスティーヌのために歌っていた「Til I Hear You Sing」をメグ・ジリーのために歌ってあげてはどうだったでしょうか。プラトニックラブとエロスの間で煩悶していた頃の自分とは違うのだということを見せつけてやるんです。かつて自由自在に操れた「音楽の力」の加護はもうない(なぜならあなたはすでにクリスティーヌの愛によって目覚め、また老いてきているのだから)。いま自分を突き動かしているのは、若き性愛による醜い執着であることを進んで認め、人生の後半に差し掛かった自分と折り合いをつけてはどうだったでしょうか。ファントムにはそうした人格の成熟を見せてほしかった(アンドリュー・ロイド・ウェバーさん、あなたのことでもありますよ!)。

もしそうでないのなら、実子・ギュスターヴの存在を知ったときに、それを否定してほしかった。突然、父親になってしまった自分におののいてほしかった。間違っても、家族愛などに目覚めずに、孤独にしか生きられない性を全うしてほしかった。そしてそのとき、自ら画面を剥ぎ取り「ダーーーダダダダー♪」というオペラ座の怪人のテーマが流れたとしたら……きっとゾクっとしただろうなあ。
あるいはまた、半ば崩壊が暗示されていたラウルとクリスティーヌとギュスターヴの家族の絆を再び確かなものにするため、かつてはコンプレックスだった醜い肉体を道化のための武器に変えて、ラウル一家のために悪役を買って出るのもよかったかも。



以上、妄想でした。
なんだかんだ言ってファンは見逃せない作品です。未見の方はお楽しみに!

ただし「Til I Hear You Sing」はイイ!




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ラミン・カリムルー
ジェネオン・ユニバーサル
2012-12-05




関連リンク


ミュージカル初心者の私が『オペラ座の怪人』を観るたびに涙するようになるまで
http://sasakill.blog.jp/archives/50755589.html

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