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『こころ』は本当に名作か―正直者の名作案内 (新潮新書)『こころ』は本当に名作か―正直者の名作案内 (新潮新書)
著者:小谷野 敦
販売元:新潮社
発売日:2009-04
おすすめ度:4.0
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小谷野敦さんの『「こころ」は本当に名作か―正直者の名作案内』を読んだ。小難しい文学論ではなく、個人的な好き嫌いに端を発したブックガイドだってのがいい。読んでいて爽快な気分になった。


■未読&これから読んでみたい

白鯨 上 (岩波文庫)白鯨 上 (岩波文庫)
著者:ハーマン・メルヴィル
販売元:岩波書店
発売日:2004-08-19
おすすめ度:4.5
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アメリカ文学史上の最高傑作と言われても食指が動かず読もうと思ったことさえなかったんだけど、『マッコウクジラに関する博物学的記述に満ちており、それを面白く思えない人には、今でもおもしろく思えないだろう』という小谷野さんの感想を読んで、一気に読みたくなった。そういうの大好き。


■未読&これからも読まない

フィネガンズ・ウェイク 1 (河出文庫)フィネガンズ・ウェイク 1 (河出文庫)
著者:ジェイムズ・ジョイス
販売元:河出書房新社
発売日:2004-01-07
おすすめ度:4.0
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ジョイスの『フィネガンズ・ウェイク』。あと『ユリシーズ』も。
『フィネガンズ・ウェイク』というとんでもない本に関するあれこれを読んだり調べたりするのは好きだけど(ウィキペディア参照のことー!)ですが、たぶん読めない。読める気がしない。


■既読&予想以上に評価が高かったもの

現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫)現代語訳 南総里見八犬伝 上 (河出文庫)
著者:曲亭馬琴
販売元:河出書房新社
発売日:2003-02-05
おすすめ度:4.0
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確かに面白かったけれどそんなに面白かったろうか、と思ってしまった。小谷野さんは三国志よりなにより水滸伝が最高だ、ということを書いているので、趣味の問題もあるはず。
ちなみに、自分がこの『南総里見八犬伝』を読んだのは書評家の豊崎由美さんが何かで絶賛していたから。大衆文学でありながらこのように高評価を受けているということを考えてみても、すごさがわかる。


■既読&予想以上に評価が低かったもの

羅生門・鼻 (新潮文庫)羅生門・鼻 (新潮文庫)
著者:芥川 龍之介
販売元:新潮社
発売日:2000
おすすめ度:4.5
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私はこの『羅生門』が好きで、たまに読み返したいするんだけど、それを小谷野さんはこう書いている。『この短編が有名なのは、国語の教科書に載っているからで、なぜ載っているからというと、まさにそのような問題(『羅生門』作中の矛盾点)を教師と生徒で話し合うことができるからで、単に授業をするのに都合がいいからに過ぎないのである』と。なるほどそういうもんなんだろうか。でも自分は好き。