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「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか(仲俣暁生)

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下北沢のBook&Beerの古本コーナーで購入した本。「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか。

2012-09-08 11:38:50 写真1

ちなみに、この古本コーナーに出品しているのは、著者の仲俣暁生さん自身。おもしろい企画だし、リーズナブルでいい本がたくさんありました。

本の内容は、舞城王太郎や古川日出男を中心とした、村上春樹の後継者(あるいは単にチルドレン)と目される一連の作家たちや、吉本隆明・小林秀雄・寺山修司などに対する批評。

各論でどうこうじゃなくて、こういった守備範囲を持つ文学論がどストライクなので、それだけで満足度が高かった。感想として不適当かもしれないけど「こういう友人がほしいなあ」と思いましたですよ。友人じゃなくても、お兄さんとか、あるいは行きつけのバーのうるさい常連客でもなんでもいいけど(行きつけのバーとかないんですけどね)。


「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか「鍵のかかった部屋」をいかに解体するか
著者:仲俣 暁生
販売元:バジリコ
(2007-03)
販売元:Amazon.co.jp
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古川日出男を初めて読んだのは2009年。村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』のリミックス小説を謳う『二〇〇二年のスロウ・ボート』(2003年)でした(その時の感想文)。

次に古川日出男を読んだのはつい2週間前。奇想天外な大小説『アラビアの夜の種族』(2001年)でした(その時の感想文)。

これに弾みがついて次に取り掛かったのは、犬への呼びかけという特殊な文体で20世紀後半の人類史を振り返る『ベルカ、吠えないのか?』(2005年)。

ベルカ、吠えないのか?ベルカ、吠えないのか?
著者:古川 日出男
販売元:文藝春秋
(2005-04-22)
販売元:Amazon.co.jp
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個人的にはあまり没入できなかったんですが、この作品が高く評価される理由はよくわかりました。Amazonのレビューを見ても絶賛されまくってますが、確かにすごい。作家の筆力が、ただの野心作と評されて終わりそうなアイデアを、未知の手触りをもった快作・傑作に押し上げています。

そこでやっと、遅ればせながら古川日出男の普通じゃなさに気づいて、手許にあった『二〇〇二年のスロウ・ボート』を再読してみたら、3年前に読んだ時とまったく印象が変わりました。

村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』のリミックス小説というコンセプトから、初読のときはなんとなくパロディ的な、手遊びとしてのおふざけだという印象をだったんですが、再読してみると、これはかなりマジな小説的試みであり、作家的に避けて通れないマイルストーンだったのだなと思うようになりました。

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この普通じゃない作家の、いちいち歯ごたえがありすぎる著作を、地図なしで手当たり次第で読んでいくのは結構きついので、割と切実にアドバイスを求めています。次は何を読んだらいいですかねえ。

おもしろすぎた『アラビアの夜の種族』を全力で推薦する3つのポイント(書痴・正統派ファンタジー・村上春樹)

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古川日出男の『アラビアの夜の種族』。やっと読んだ。
いやー、これは、これはすごい本だった。

アラビアの夜の種族 (文芸シリーズ)アラビアの夜の種族 (文芸シリーズ)
著者:古川 日出男
販売元:角川書店
(2001-12)
販売元:Amazon.co.jp
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2段組で700ページを超すボリュームの本を一気読みしたのは、井上ひさしの『吉里吉里人』以来かもしれない。といって『吉里吉里人』を例に出したのはなにも本の体裁が似ていたからってだけではなくて、日本語と自由自在に戯れる高度な文章技術と、メタ的な物語展開に、なんとなく近いものを感じたから、ってのがあります。お話としては似ても似つかないけれど、『吉里吉里人』を既読の人には、ああいった方向性をもった、ああいう水準の作品であるとご理解いただいてよろしいと思います。

とにかく、この本を読むにあたっては、事前に詳しい知識を仕入れるのは厳禁です。

最後の1ページまで読み終えて、「どういうことだろう?」と疑問に思ってこの本のタイトルをネットなりなんなりで調べてみて初めて、そこで最後のどんでん返しがわかる、といった仕掛けが内蔵されていますので、作品に閉じ込められた旨みを最後の一滴まで味わいたいという人は、検索も何もせず黙ってお買い求めください。読み始めて30分も経つ頃には、もう止まらなくなるはずですので、あとは解説不要です。

ただし、一応、ジャンルだけは知っておきたいという人のために書いておくと、この本は、基本的には超正統派の単なる娯楽小説です。ただし、その皮一枚下は翻訳小説、もう一枚下は歴史小説(しかも司馬遼太郎のような著者がうるさい歴史小説)、さらに一枚下はファンタジー小説です。で、日本SF大賞受賞作。だいぶ普通じゃない、奇想天外な本なので、あとは読むしかないんです。

そうは言ってもですよ。どんな本かもわからない大長編に2000円〜3000円ものお金を払っていいのか、とお考えの人もいるでしょう。あるいは、読む気はないけどどこがおもしろかったかだけ知りたいという人もいるでしょう。さらには、読み終えた他者の感想が気になっているという人もいるでしょう。そういう人のために、物語のおもしろさを削がない程度のネタバレを含んで、もうちょっとだけ『アラビアの夜の種族』の魅力を3つ書きます。

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古川日出男の『二〇〇二年のスロウ・ボート』を読むにあたって、村上春樹の『中国行きのスロウ・ボート』を読み返した。『二〇〇二年のスロウ・ボート』は、『中国行きのスロウ・ボート』のリミックスバージョンだから、元ネタをちゃんと復習しておかないとねってことで。


中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)
著者:村上 春樹
販売元:中央公論社
発売日:1997-04
おすすめ度:4.5
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二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))二〇〇二年のスロウ・ボート (文春文庫 (ふ25-1))
著者:古川 日出男
販売元:文芸春秋
発売日:2006-01
おすすめ度:5.0
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俺もリミックスやってみたくなった。
元ネタは『納屋を焼く』で。

『文藝』の編集者とお会いする機会があって、勉強のために初めて買ってみた。

文藝 2009年 02月号 [雑誌]文藝 2009年 02月号 [雑誌]
販売元:河出書房新社
発売日:2009-01-07
おすすめ度:5.0
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柴田元幸と古川日出男の対談がおもしろかった。大事にとっておく。落ち着いたらこのあたりどっぷり読む予定。

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