2015 1月 4 10:51:46 44冊目 『作家の食卓』 カテゴリ: 1000冊紹介する 谷崎潤一郎がいいことを言っていた。結局、鯨飲馬食するのが食の醍醐味だ。行儀だ健康だなんて考えてちまちま食ってられるかと(意訳)。 それで思い出すのが色川武大。ある日の、一日六食の内訳が書いてある部分を載せる。拡大してどうぞ。 当たり前のものばかりだけど、細かいこと考えずにこれだけ食えたら楽しいだろうなと思う。 作家の食卓 (コロナ・ブックス) [単行本]平凡社2005-07 タグ :#料理
● 10:33:19 43冊目 『東西味くらべ』 谷崎潤一郎 カテゴリ: 1000冊紹介する 食関連の書棚を漁るのが楽しくなってきた。これは、谷崎潤一郎の著作のなかから食に関する文章を抜き出したアンソロジー。 しかし、この本だけを取り上げて言うのではないけれど、西洋料理全般に関してのウンチクはことごとく役に立たない。文章がうまいのと、日本食に関しては確かなのとにだまされそうになるが、十数年ぶりに再読してその点がよくわかった。単純に、昔はうまいレストランやカフェといったものがなかったということだろう。谷崎潤一郎や池波正太郎がいま人気のイタリア、フランス、ロシア、ドイツあたりの料理、あるいはエイジングビーフのステーキなんかを出すレストランに行ったらぶっ飛ぶんじゃないかな。 あと、東京の食事に対するdisは本書の見ものです。なにも、タタミイワシのことをそんなに悪くいわなくてもいいじゃないか(笑)。 東西味くらべ (ランティエ叢書 (19)) [単行本]谷崎 潤一郎1998-07 タグ :#料理
● 10:05:22 42冊目 『男の手料理』 池田満寿夫 カテゴリ: 1000冊紹介する 食関連の書棚から続けてとりだしたのがこれ。 当世、男が料理するのはあたりまえ。だれも珍しがらないし、工程や味に手抜きがゆるされるわけでもない。だから、いまではこんな企画は成立しないが、30年前は違ったのだというのがよくわかる。現代でいえば『花のズボラ飯』か。いまでは女性が手抜きをして貧乏料理を恍惚として食べるのがおもしろがられる。 それはそうと、作中に出てくる、新鮮なイワシをおろしてレモンを絞って食べる料理だなんてのは、手抜き料理でも貧乏料理でもないね。後半になるにつれ、ねじがゆるみ、そうそう食べられない贅沢料理がまじってくるのがまたおもしろい。 男の手料理 (中公文庫BIBLIO) [文庫]池田 満寿夫2003-04-24 タグ :#料理
● 09:50:32 41冊目 『むかしの味』 池波正太郎 カテゴリ: 1000冊紹介する 年末の情熱大陸に神田のまつやがとりあげられたのを見て、ひさびさに書棚から取り出した一冊。 日本橋のたいめいけん、神田のまつやといった大衆的かつ伝統ある人気店をとりあげるその内容は、現代でいう『孤独のグルメ』的。ポークカツレツと日本酒という取り合わせや、昼酒したのちに〆るカレー南蛮。たまらない。 しかし、たいめいけんもまつやも、実際のところ気軽には行けない。けれど場末の食堂でひとり飯に集中する楽しさは世界のどこでも変わらない。となるとやはり、食い意地の張った、しかし酒の飲めぬ井之頭五郎というキャラクターは発明だよなあ。 再読してもうひとつ発見だったのは文章の巧みさ。名人芸だね。 むかしの味 (新潮文庫) [文庫]池波 正太郎1988-11-30 タグ :#料理
2015 1月 3 09:51:56 39冊目 『伝えていきたい日本の味』 栗原はるみ カテゴリ: 1000冊紹介する 新年一発目に購入したのは、栗原さんのレシピ本。ハードカバーで約3,600円という、辞典のような存在感をもつ集大成的なやつ(自分はマーケットプレイスで安いのを買った)。 当たり前の料理ひとつひとつに、驚くべき工夫と奥義、そして単純作業に対する飽くことのない喜びが込められているのが栗原さんのレシピ。それを解読、賞味しながら、今年も家庭で美味しい料理を楽しむぞ。 伝えていきたい日本の味 [単行本]栗原 はるみ2009-12-05 タグ :#栗原はるみ#料理