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これは、『1999年のゲームキッズ』の渡辺浩弐による『「ひらきこもり」のすすめ―デジタル時代の仕事論』という本。「ひきこもり」じゃなくて「ひらきこもり」。

噛み砕いて書くと、「おまいら、ひらきなおって堂々とひきこもれ。それでいいじゃないか」って感じの励ましのメッセージ。否定的な感じは全然ない。というか、ポジティブ。

こういう断言の仕方ってば、まさにコペルニクス的転回だなあ。新鮮な感じ。上記のメッセージを真に受けるなら、格差社会とかニートの問題ってまじでどうでもよくなるもんな。

ただ、ぶっちゃけて感想を言うなら、僕はこういう生き方には耐えられそうにないなあ。孤独だもの。

やりたくないことをやってるときって、ある意味で幸せなんじゃないかと思う。その労働を、誰かが求めているということは、誰かが自分を必要としている、と考えることができるから。
逆に考えると、好きなことだけやるということは、誰からも必要とされていない状態だと言える。その労働を、自分のためだけにやるわけだから。っていうかもうそれは労働とは言わないな。
とにかく、誰からも必要とされないという孤独を乗り越えて、多くの人に必要とされるモノやコトを生み出すってのは、大変だなあと思う。へなちょこな俺にはできそうにない。

それでも、誰でも、やろうと思えばできるんだってのがこの本の主張なので、それに励まされる人も多いんじゃないかと思う。その意味で、いい本だ。

ちなみに、この本ではとりあげられていないけど、新海誠なんてのはまさに、この本のメッセージの体現者のような気がする。

というわけで最近、渡辺浩弐の本を一気に買ってまとめ読みしてる。
星新一もいいけれど、渡辺浩弐のがよりいい。星新一を冒涜するわけでないけど、生きているというのは、偉いことなんだなと思う。

▼ショートショート第2作 マザー・ハッカー―1999年のゲーム・キッズ〈2〉
▼ショートショート第3作 デジタルな神様

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2004年の2月にこんなことを書いた。

1999年のゲームキッズは今… - アルカンタラの熱い夏

要は、渡辺浩弐がショートショートの形式でWebやPC関連商品のレビューと予測みたいなことをやったらおもしろいだろうなあ、ということなんだけど、あれから2年半がたった今も変わらずそう思ってる。というかむしろ、ますます確信めいてきた。

その根拠となるのがこの小説、『プラトニックチェーン』。3巻まで出ていて、テレビアニメにもなってる。これがおもしろい。『1999年のゲームキッズ』のおもしろさそのまま。とりあつかうテーマが、ちゃんと今の時代にあわせたものになっているから、むしろ、今のほうがおもしろい(確かに、1999年のゲームキッズは今読むにはテーマがちょっと古めかしいものなあ)。

というわけでかなりおすすめ。



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