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31冊目 『親のための新しい音楽の教科書』 若尾裕

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友人・田村からの紹介。音楽と教育に関するとてもフェアな本で、人にお薦めできる内容。洋の東西、流行の古今について、この本もやがて時代遅れになることまで織り込んだ謙虚さとフェアネスがあり、信頼できる。

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印象的だったのは、ひとつのミスで崩壊するクラシックの曲を「免震構造的に弱い」作品であるとする見方。一方、ケチャや宗教音楽を、ミスも飲み込む免震構造をもっていると考えると、よかれと思ってやっている音楽教育が音楽への苦手意識を生むことになっているとも考えられる、というような話。

そういえば、台湾の龍山寺に観光に行ったとき、参拝にきているおじいさんおばあさんたちが歌うお経の旋律に感動したことを思い出した。混雑して人の出入りが激しい境内で、お経が歌い継がれて、終わりも始まりもなく延々と続いていく。小さなお寺だから余計、それが空間全体に満ちて、すごい迫力。それは単なる信仰の現場なんだけど、音楽的に感動してしばしその場に呆然と留まっていたっけ。きみはピアノにのぼってONGAKU、ぼくはりんごかじってONGAKU。



19冊目 『フランスの子どもは夜泣きをしない』 パメラ・ドラッカーマン

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育児書を続けて。本当のお薦めはこれ。フランスに移住したアメリカ人の著者が観察した、フランス流の育児哲学。もし僕たち夫婦が本屋を経営していたら、入り口付近の平台にタワーを作って大キャンペーンをしたかもしれない。

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子どもは、いつか夫婦のもとから巣立っていくストレンジャー。より長い時間を過ごす夫婦の関係性のほうを大事にして、主従を違えない。決して子どもを主人にしない。そしてそれが子どものためでもある。
もともとそんな風に思っていた自分には、この本で紹介されるフランス流がとてもあっていると感じた。著者のアメリカンジョークも冴えていて、毎ページ毎ページおもしろい。声に出して笑っちゃうほど。



18冊目 『お父さんだからできる子どもの心のコーチング』 菅原裕子

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まわりに子育てを手伝ってくれる人がいるとしても、子どもと親の関係の肝心なところは密室で行われて何が良くてなにが悪いのかあまりよくわからなかったりする。
夫婦で考え方が違うところは話し合うことができるけど、盲点が重なっているところは問題だという意識がそもそもわかない。
それに気づけるのは、無関係な第三者が書いたこうした本を読むからで、子育ての考え方に関する新しい発見を夫婦で話す時間はとても楽しい。

2014-12-05-08-01-19

この本が特別いいからと薦めるわけじゃなくて、なんでもいいから読んで、それについて話すのが有意義だということ。
なかには、「それほんとかよ?」みたいなトンデモ説も含まれるけど、「無意識だったけどこのやり方でよかったんだ」と慰められることもあるし、とにかく読んで損ということはない。

若いベンチャー企業のマネージャー陣がマネジメントに関するビジネス書を読むことを通して自分たちのやり方を発見していくのに似てる。先輩方からすると、「そんなに真に受けなくても」と思うようなことにも発奮しちゃったり。
でも、正しいやり方を見つけることが大事なのではなくて、試行錯誤の議論の過程こそが大事なんだろうな。
こうしたヒジネス書や育児書が必要なくなるのは、組織や会社がうまくいったタイミングではなくて、それを実行するマネージャー陣や夫婦に十分な準備ができたときだという気がする。

船に穴はあいてない、マストもばっちり。オールも、それを漕ぐ体力もある。天気だって読めるし、困難には励ましあって立ち向かえる。嵐がくるかどうかはわらない。あとはしっかりやれ。って感じ。


7冊目 『予防接種は「効く」のか?』 岩田健太郎

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子どもの話が出たので次の本はこれ。

予防接種について理解しようと思って読んだ本で、たしか山本一郎さんが薦めてたのを見たのがきっかけだったと思う。

2014-11-19-08-02-04

この季節になると毎年、インフルエンザワクチンを打つか打たないかという問題をめぐって盛り上がるけれど(そしてなかには陰謀論めいた話もあってネットでは格好の燃料になるけれど)、そういうのに振り回されないためにも、一度ちゃんした本を読んでみてよかった。否定派の根拠になっている前橋レポートの統計手法の欠陥や、少なくとも集団接種は効くとされている根拠を理解できる。

それに、インフルエンザ以外にも、生後間もない子どもが受けるべきとされるワクチンの意味や危険性についても概要が把握できて、いいタイミングで読めたのもよかった。我々の親の世代には義務付けられてなかったような予防接種もたくさんあり、そういうのは自分の責任で調べるしかないからね。

まだ小さいお子さんがいる方にはぜひ薦めたい。



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