企画職から見た『4Gbpsを超えるWebサービス構築術』
わたくし、ライブドアに入社する前は出版社に勤務してまして、そこで編集者に近いようなWebディレクターをやっていました。主な仕事はWebコンテンツの企画・制作の受託です。しかしそのうちにWebサービスの企画・開発をやりたいと思うようになり、4年ちょっと前にライブドアに入社しました。
そして最初、かなり苦労しました。それも当然、開発のことがそもそもよくわかってない。というかWebサービスの仕組みがわかってない。もちろん「LAMPって何?」っ感じ。だから、仕事もうまくできなくてプロの洗礼みたいなものも浴びました。いい思い出です(笑)。
そこでどうしたかというと、打ち合わせに出てきた耳慣れない開発系・技術系の言葉をメモっておいて、席に戻るなりググって調べて次回またその言葉が出てきたときに詳しく聞いてみる、ってことをしてました。もちろん入門書みたいなものを買って読んだりしたんですが、ライブドアの開発部の人たちと話すのが、一番勉強になりました。
いま思い返すと、この勉強方法はかなりまわりくどくて時間がかかります。Webサービス開発の打ち合わせと一言にいっても、人によってはそういった打ち合わせに必ず巡り合えるわけではなので再現性もないし、オススメするには微妙だなと。
…でも、最高の本が出ました。羽生善治さん言うところの高速道路ですね。これがあれば、最短距離で知識が身につくと思います。少なくとも、ライブドアに勤務するWebディレクターにとっては最高の本です。

著者:伊勢 幸一
販売元:ソフトバンククリエイティブ
発売日:2009-08-21
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Webサービスの仕組みがわかってないという新米Webディレクターにとっては本当にぴったり。ライブドア入社当時にもしこんな本があったらよかったのに! と思いながら、今朝届いた本書を一気読みしました。
そして、著者のひとりのにぽたんさんはこんな風に解説しています。
「4Gbpsを超えるWebサービス構築術」という本を書きました - にぽたん研究所
本書に書かれている内容について、どういうことなのか、知識としてちゃんと持っているディレクターというのが、エンジニアの人達が「一緒に仕事したいな」と思えるディレクターなのだと、常々思っていることなので、本書が技術書だからと言って、エンジニアじゃない方々にも読みやすく、わかりやすく書こうと意識して書きました
実際に読んでみるまでは、「そうは言いながらも、エンジニア向けの専門書なのでは?」と思っていたんですが、実際に読んでみたら本当に親切な内容でした。『4Gbpsを超えるWebサービス構築術』の半分は優しさからできてるんじゃないかと思います。
特に、2章「キューイング」、3章「DBキャッシング」、4章「HTMLキャッシング」は、Webディレクター向け勉強会の教材にでもしてもれなく理解してもらいたい内容。
というわけで、ちょっと歯が浮くような大絶賛になってしまいましたが、いいんです。しょうがないんです。私は執筆者でもなんでもないですが、本書で言及されるWebサービスに少なからず関わってきた者として、この本が我が子のようにかわいいからしょうがないんです。