102冊目 「緑色の宇宙」 生頼範義

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生頼範義の画集を買った。表示は「ムー」創刊号のあれ。絵の中の主役を遠くに大きく描くあの構図と、特徴的な緑の光。タイトルは「緑色の宇宙」。英題「Green Universe」。掛け値なしに我が心の故郷。



なかでもとりわけ忘れられないのは、あの有名な帝国の逆襲のポスター。




光栄の三国志にスターウォーク。めくるページめくるページで手が止まる、幸福な画集です。


101冊目 「忘れられた巨人」 カズオ・イシグロ

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5月に『忘れられた巨人』が発売されてから今まで何かと多忙で、読みきるのに時間を要してしまった。



カズオ・イシグロ得意の「信頼できない語り手」が、核心を伏せたまま不穏なムードで物語を引っ張っていく。そうそうこれですよと、冒頭あたりでは快哉をあげたくなるようなおもしろさを感じる。ところが、中盤はわりかしダルく、特にファンタジーを読み慣れている人には飽き飽きとするところもしばしば。ところが最後の最後で再びのめり込んでゾッとさせられる、そんな読書体験だった。

番いの男女の愛を、こんなかたちで書いた物語がいったい他にあるんだろうか。ファンタジー小説という舞台に、記憶の曖昧な老夫婦という登場人物。それらが、予想もしなかった読後感を与える結末を導いている。

ラストシーンはどうとでも解釈できるが、第一印象では、アクセルのほうが往復する船を待たずに姿を消したんだろうと思った。そしてそれでも、ベアトリスへの愛は本物だろうと。
裏切りと後悔の記憶に荒涼とした心。妻と離れたくないという言葉と、孤独を尊ぶ気持ち。矛盾するようでいて、それでもそこにある愛。万語を費やしても語れない気持ちが、見事な寓話になっていた。

期待を裏切らない新作。


カズオ イシグロ
2015-05-01

100冊目 「グレード・ギャツビー」 スコット・フィッツジェラルド

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1000冊を目標にすると、100冊はその一合目にあたる。どうせなら記念になるようなものをと考えて、グレート・ギャツビーを選んだ。過去に3回もこのブログで読書メモを残しているので、これが4回目の紹介。


ある先輩に、グレート・ギャツビーみたいな小説を書いてみたらいいんじゃないかと言われて、はじめは「いやいや無理でしょ」と笑い飛ばしたんだけど、「みたいな」という言葉を気楽に考えみたら、まあたしかにできるかもしれないと思えてきた。現実の著者と、話者のニックと、主役のギャツビーが分担しているものやそのバランスはたしかに模倣可能だし、やりがいがある。

おだてにのってやってみようかな、ということで記念の100冊目に選んでみた次第。しかし何度読んでもおもしろい。訳者を変えるとさらに楽しみが増す。


フィツジェラルド
2013-05-31



F.スコット フィッツジェラルド
2009-09-08

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