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釣り能力がないとDISられましたが、今日はがんばります。


ロジックの部分は後回しにして、「あえてimpを下げて収益倍増」させるテクニックを導入している具体例の紹介から。まずは、下記のページをご覧ください。

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このページに掲載されているGoogle AdSenseは、ログイン状態によって表示位置や数を変えています。スクリーンショットで簡単に説明すると下記のような感じです。


livedoor Blogにログインしているユーザーの場合

 livedoor Blog ログイン


ゲストの場合

 livedoor Blog ログアウト


もう一例だけ紹介します。
livedoor クリップのページ詳細(参照)です。


livedoor クリップにログインしているユーザーの場合

livedoor クリップ ログイン


ゲストの場合

livedoor クリップ ログアウト


つまりここでは、


* ログインしているユーザーには、Google AdSenseをあまり表示しない。
- なぜなら、ログインしているユーザーは、そのサイト内の情報を探しているのであって、サイト外の情報を求めているわけではないから。つまり、Google AdSenseが無駄な情報となる。

* ゲストには、Google AdSenseを大きく表示する。
- なぜなら、ログインしていないゲストは、検索エンジンなどを経由してサイト外からやってくるため、検索キーワードに関連するような内容ならなんであれ求めているから。つまり、Google AdSenseの広告が有効な情報となる。


ということをやっています。

で、これをやると、全ユーザーに対してGoogle AdSenseを表示していたときよりもimp(表示回数)が減ります。だから当然、クリック数も減ります。


でも、収益額はあがります。


それはなぜか。
Google AdSenseには、ひとつの原則があります。


- 広告に関心の薄いユーザーのクリックが多く発生するページは、収益額を安く抑えられる


これがどういう仕組みで実装されているかわかりませんが、Google AdWordsの効果を高いレベルに保ち、出稿してくれる広告主を守ろうとするGoogleとしては当然の施策だと思います。


つまり、ログインしているユーザーとゲストでGoogle AdSenseの表示を変えるのは、

- 広告に関心の低いユーザーのクリックを減らし
- 広告に関心の高いユーザーのクリックを増やす

ということであり、そのページの信頼性をあげるテクニックです。

このテクニックひとつで、収益額がグンとあがります。具体的な数字は書けないルールになっているのでもどかしいですが、リアルな数字として1.5倍〜3倍は増えます。騙されたと思って一度やってみてください。


以下は、ちょっとした補足と例外について。


補足

「広告に関心の薄いユーザーのクリックが多く発生するページは、収益額を安く抑えられる」という原則は、いろんな場面で適用できます。

例えば、デザイン重視のサイトを作る人がはまりがちな罠として、ぱっと見で広告とわからないぐらいサイトのデザインになじませた結果、クリックは増えても収益が下がってしまう、というのがあります。

これは、サイト内のコンテンツだと勘違いしてクリックする人が発生すると、信頼性の低いサイトと判断されていまうからです。

ちなみに、サイト内のコンテンツだと勘違いさせてクリック数をあげるテクニックとして、Google AdSneseのラベルを「おすすめコンテンツ」や「関連情報」にすることは明確に禁止されていますが、これも、今回の原則と無関係ではありません。


例外

ログインユーザーにはあまりGoogle AdSenseを表示しない方がいい、という話をしてきましたが、例外もあります。

検索結果のページのように、そのページ内のリンクが、サイト内の移動ではなく、サイト外への移動を前提としていて、それがユーザーにもよく認知されている場合は、ログインしているユーザーに対してもGoogle AdSenseを表示したほうが効果が高いです。

なので今回のテクニックも万能ではありません。
ですが、「広告に関心の薄いユーザーのクリックが多く発生するページは、収益額を安く抑えられる」という原則に沿って考えていけば、そのページにあわせた最適化方法が見えやすくなると思います。




以上のネタは、livedoor社内のディレクター向けに行った勉強会の資料の一部をブログ用に書き換えたものです。
広告主もGoogleもメディア側(サービス側)もユーザー(読者)もみんなハッピーになれる話だったので、ぜひお試しください。

そのほかのテクニックについても、機会があれば書こうかと思います。