西村賢太の『苦役列車』を読んだ ★★★★☆
デビュー作『どうで死ぬ身の一踊り』に衝撃を受けて(前回の記事)、その後の作品を3冊一気読みした。暗渠の宿 (新潮文庫)
著者:西村 賢太
販売元:新潮社
(2010-01-28)
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二度はゆけぬ町の地図 (角川文庫)
著者:西村 賢太
販売元:角川書店(角川グループパブリッシング)
(2010-10-23)
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苦役列車
著者:西村 賢太
販売元:新潮社
(2011-01-26)
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これらに収録されたすべての短編が、いずれも自伝的な私小説で、かつ、時代が前後するのでどれがどういう作品だったという印象が薄くなってしまうのは否めないんだけど、それでも全部おもしろい。
特に印象に残っているのは、芥川賞を受賞した「苦役列車」の表題作。
友情と優越感と屈辱とルサンチマンと破壊的な衝動とがないまぜになった、苦い青春の蹉跌といった一遍。西村賢太の私小説にシンパシーを感じることはほとんどないんだけど、10代後半の青春時代を描いたこの作品は別だった。確かに、こういう気持ちになることはあったような気がする。それが特別な印象につながった。
まだ文庫になってないので単行本でしか買えませんが、『苦役列車』はおすすめです。
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