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内容がいいのにタイトルで損していると評判の本。

たしかにおもしろかった。宮崎駿や高畑勲、そして庵野秀明のインタビューはこれまでにも読んできたけれど、鈴木敏夫の目線で語られるとこうなるのか、という発見が多かった。特に、周囲が思う以上に深い絆で結ばれている宮崎駿と庵野秀明の師弟関係とかね。確かに、そんな絆の話なんて当人たちはしないわけだから、第三者に語ってもらわなければわからないわけだ。

制作が常に遅れる高畑勲のエピソードも、この時期だからこそさらにおもしろい。『かぐや姫の物語』が公開されるあと数か月以内に読むのがベストだと思います。

渋谷陽一関連でいうと、宮崎駿のインタビュー本『風の帰る場所―ナウシカから千尋までの軌跡』があります。つまり、『風に吹かれて』ってのはその文脈上にあるタイトルなんですね。宮崎駿と高畑勲という風に吹かれ続けた鈴木敏夫という非凡な人物の、30年に渡る仕事を振り返る稀なるインタビュー集になっています。おすすめです。

風に吹かれて
鈴木 敏夫
中央公論新社
2013-08-10



関連リンク


『風立ちぬ』で宮崎駿が考えた、もうひとつのエンディング
【読書感想】風に吹かれて


関連本


同じく渋谷陽一のインタビュー本。
こちらも滅法おもしろい。



こちらはインタビュー本ではなく、自身の手になる文章を集めたもの。
おもしろい個所が多すぎて、折り込みだらけになっています。

出発点―1979~1996
宮崎 駿
スタジオジブリ
1996-08

折り返し点―1997~2008
宮崎 駿
岩波書店
2008-07-16