描線の行く末を眺めているだけで楽しい! セルジオ・トッピの『シェヘラザード』
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「アラビアン・ナイト」として知られる、『千夜一夜物語』を詩的なコミックとして作品化したものが本書なのですが、19世紀末のヨーロッパ美術(シーレやクリムト)の影響を受けたイタリアの作者が1970年代末に発表したという経緯もあり、原作が持っていた教訓集という側面は鳴りを潜め、耽美的な詩画集といったような趣になっています。
モノクロと寒色で描かれる詩的な「千夜一夜物語」。『シェヘラザード』 - BOOK NEWS
http://www.n11books.com/archives/34039921.html
話の筋はシンプルだけど、画面の構図が斬新で、読むのにすごく時間がかかった。読むというか、線の行く末を眺めているだけで知らず知らず時間が経っていく感じ。




天野喜孝だの山田章博だの初期の高橋葉介だのそういう名前が思い浮かびました(小並感)。影響という意味で、あっているのどうかわかりませんが、すごい漫画でした。BD(バンド・デシネ)とか読みづらくてつらいと思うほうなんですが、かなり楽しめまた。現代の日本の漫画家と言われても違和感ない。

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