[プレイバック] 5年前の今日は、渡辺明が永世竜王になった日でした
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そろそろ書くことなくなってきたなと途方にくれながら過去記事を見ていたら、なんと5年前の今日は渡辺明が永世竜王になった日ではないですか! そうか、もう5年も前のことなのか……。
というわけでその時に書き散らした記事と撮り散らかした記事を再編集してみました。
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当時の熱い状況をもっともよく表現しているのがこの記事。
さて、第七局。
勝ったほうが初代永世竜王。
羽生が勝てば永世七冠。
渡辺が勝てば、将棋界初の三連敗後の四連勝。
将棋の神様は、随分とド派手好みの演出家のようだ。
舞台は、将棋の聖地、天童である。
すべては聖地、天童へー竜王戦第六局第二日 渡辺竜王vs羽生名人
すわ。これは100年に一度の出来事だとはりきって夫婦ふたりで山形県天童市に行ってきました。
さすが将棋の町・天童。郵便ポストの上にも王将が。大山康晴の揮毫です。
歩道には詰将棋。歩きスマホならぬ歩き詰将棋ができる町・天童。
そして3メートルはあろうかという巨大王将。
会場に着いた。渡辺竜王の防衛か、挑戦者・羽生名人の永世竜王か。最終戦第七局まったなし!
大盤解説場の1DAY PASSを購入して中へ入ります。
大盤解説場の様子。午前中なのでまだ人が少ない。
会場となったホテルのなかには、一般客が自由にさわれる大盤があり、それを囲んで将棋ファンが議論をしています。
次第に賑わってくる大盤解説場。次の一手を当てるクイズを見事に当てた奥さんが、竜王戦記念の扇子をゲットしました! えらいぞ!
写真からは一切その様子がうかがいしれませんが、羽生善治優勢かと思われたところから渡辺竜王が逆転し、まさかまさかの三連敗からの四連勝で初代永世竜王となった直後の写真です。会場が異様な雰囲気となりました。熱気というんじゃなくて、「いや……まさかこんなことが……」と茫然としてしまうような雰囲気。
七番勝負の結果をまとめたボードがこちら。
後手の羽生名人(当時)が渡辺竜王の将棋観を崩壊させて勝った圧倒的第一局。羽生名人がお茶を一杯飲むわずかな時間が渡辺竜王に逆転の綾を与えてしまったという混迷の第四局。などなど、ドラマがありました。
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渡辺竜王はその後、19連覇中の羽生王座を下し初の王座位を獲得した他、王将・棋王も獲得しました。10連覇が期待された竜王位は残念ながら今年で連続防衛が止まってしまったものの、A級順位戦で上位につけて次の名人を狙う位置にいます。
この竜王戦から5年が経ってなお、この日この時の出来事は、将棋界の歴史に残る大きなエポックとして色あせていません。そして、伏竜が天に解き放たれるのを目の前で目撃したようなしびれる感動もまた、僕のなかに色あせず残っています。こうしてたまに思い出すと、そのときの気持ちがいまでも鮮やかによみがえってきます。
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