1冊目 『ヨハネスブルグの天使たち』 宮内悠介
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内容については、触れるつもりではあるけれど、触れないかもしれない。まあどっちでもいいや。とにかく、ただの背景、ただの静物でしかないとしても本の紹介を続ける。
前作『盤上の夜』同様の短編連作。SF大賞特別賞を獲った話題作で、表紙にその雰囲気はないけれど初音ミク的なものがモチーフになっているのでその文脈で興味を持って読む人もあるかも。
全体に説明不足な、突き放したような文章なんだけど、それで内容がわからないかというと、そんなことはなかった。
著者の宮内さんは79年生まれの同世代。麻雀プロを目指したあと、プログラマーになってのちに作家へ。同世代の感性への信頼感があるからなのか、自分の解釈を疑わずに読めた。説明不足と思えた文章は、次第に、ほどよい断絶と飛躍に感ぜられて、最後の方には詩心まで感じた。
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