カテゴリ:
読み終わったものだけ書く。というルールを課していたら近頃なんにも書けなくなった。でも本を読まない日はない。だったら読み終かけでもなんでもいいから書けばいいじゃないかと思って書くことにする。

内容については、触れるつもりではあるけれど、触れないかもしれない。まあどっちでもいいや。とにかく、ただの背景、ただの静物でしかないとしても本の紹介を続ける。

2014-11-10-21-12-22


前作『盤上の夜』同様の短編連作。SF大賞特別賞を獲った話題作で、表紙にその雰囲気はないけれど初音ミク的なものがモチーフになっているのでその文脈で興味を持って読む人もあるかも。

全体に説明不足な、突き放したような文章なんだけど、それで内容がわからないかというと、そんなことはなかった。
著者の宮内さんは79年生まれの同世代。麻雀プロを目指したあと、プログラマーになってのちに作家へ。同世代の感性への信頼感があるからなのか、自分の解釈を疑わずに読めた。説明不足と思えた文章は、次第に、ほどよい断絶と飛躍に感ぜられて、最後の方には詩心まで感じた。