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友人間で貸し回していた本がボロボロになって帰ってきた。喜ぶべき勲章といっていいだろう。これだけおもしろい本はそうないと思って紹介したので、ポケットやカバンのお供となってボロボロになったのなら本望。

2014-11-16-21-23-01

若き日の小澤征爾が、船に乗ってヨーロッパへ行き、言葉も満足に話せないなか音楽界に衝撃のデビューを果たす青春紀行。
栄光のエピソードの他にも、ドーバー海峡にほど近い修道院の半地下の石の部屋でスパルタ式にホームシックを治すというきつい話も印象的。

氏の家族への手紙もおもしろい。こざっぱりした文章に、からっとして朗らかなスター性が感じられて、それだけで惹きつけられる。なんと魅力的な人物なんだろう。本に夢中になるうちに、最後は小澤征爾のファンになってしまう。