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Kindle発売にあわせて『セルフパブリッシング狂時代』という本を出した

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Kindleが今日から発送されはじめたということで、盛り上がってますね。早速行われている開封の儀のレポートを見るとこんな感じらしいです。

Amazonの電子書籍リーダー「Kindle Paperwhite」を使ってみた

私が注文した分は自宅に届くようになっていますが、身のまわりではコンビニ受け取りにして早速会社で開封している人もいて、なかなか賑わっています。あと、本体は来年にしか届かないのに電源アダプタだけ先に届いた、なんて人もいました。ご愁傷様です。

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ここ最近の、Kindleおよび個人出版に盛り上がっている身の回りの面々を見ると、やはりどうにも2003年のブログ元年を思いだしてしまいます。あのとき、Movable Typeによって宣言された「Personal Publishing Tool」というコンセプトにドッキーン! ときちゃった人が、今回もまたドッキーン! ときてるんだと思います。つまり電子書籍に興味があるわけじゃなくて、出版の新しい形に興味がある人たち。

今月で事業10年目を迎えるlivedoor Blogは、今年の夏あたりから、サービスロゴの横あたりに「Personal Publishing Assistant」という言葉を添えています。

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(上の画像はlivedoor Blogの管理画面にログインすると見られます)

ブログというサービスが、「出版(Publishing)」という言葉の可能性を紙だけでなくウェブにまで拡げたように、今後さらに電子書籍にまで拡がっていく広義の「出版(Publishing)」をサポートしていこう、という意味を込めたものです。ということを誰も聞いてくれないので自分で言いました。

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というわけで、Kindleの発売にあわせてちょっとしたリリースがあります。

1. ブログから簡単に電子書籍が作れるようになりました。もちろんKindle対応
http://blog.livedoor.jp/staff/archives/51786675.html
画像と縦書き対応は今後対応予定ですが、それさえ除けば、非常に簡単に電子書籍が作れます。

2. 電子書籍の個人出版を応援するレビューサイト「キンドる速報」を立ち上げました
http://blog.livedoor.jp/ebookdistribution/
iPhoneアプリにおける「AppBank」のようなサイトがないと不便だなと思って立ち上げました。

3. 『セルフパブリッシング狂時代 - 紙の代替ではなくウェブの延長としての電子書籍』という本を出しました
※注意 現在、(おそらくAmazon側の不具合により)KindleとAndroidでしか読めません。問い合わせ中ですので、iOSの方はしばしお待ちください。

セルフパブリッシング狂時代 - 紙の代替ではなくウェブの延長としての電子書籍セルフパブリッシング狂時代 - 紙の代替ではなくウェブの延長としての電子書籍
著者:佐々木 大輔
(2012-11-11)
販売元:Amazon.co.jp

著者は本書のなかで次のように予言する。

「紙とは違った、電子書籍ならでは(スマートフォンやタブレットPCならでは)の作品に対するニーズが顕在化してくる」
「そのニーズにあわせて素早く、かつ大量に作品をリリースし続ける個人出版作家が登場し、彼ら彼女らが、電子書籍の市場を大きく育てていく」

個人出版元年の2012年と、ブログ元年の2003年を比較することで見えてくる「出版(Publishing)」の未来とは?

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もくじ

1. 歴史は繰り返す? ウェブログツールの事例から
  - 2003年のPersonal Publishing Tool
  - 素人が書いた文章を読みたいと思うのか?
2. 個人出版のベストセラーはどのように生まれる?
  - 官能小説
  - ケータイ小説
  - 漫画
  - 翻訳コンテンツ
  - もっと未知のなにか
  - その時代はいつくる?
3. 新人作家は夏目漱石と戦い、出版文化は衝突する
  - フラット化する世界での創作行為の意義とは?
  - 出版系とウェブ系と同人系が交わる汽水域
4. あとがきにかえて - 紙の代替ではなく、ウェブの延長としての個人出版

こんなことブログにでも書いておけよ、と言われるような内容かもしれませんが、1万文字以上もあると、ブログで読むにはちょっと長いような気がするんですよね(そしてもちろん、本にするには短すぎる)。なのでこれは身を張った実験と思ってご容赦ください。
ちなみに、この本自体もlivedoor BlogでEPUBで書き出しましたものです。ものすごく簡単です。

試し読みようにプレビューワーも置いてみます。



あわせて読みたい


Kindle自費出版ガイド 米アマゾンの先例から学ぶ電子書籍の作り方Kindle自費出版ガイド 米アマゾンの先例から学ぶ電子書籍の作り方
著者:雄山洋
(2012-10-26)
販売元:Amazon.co.jp

『セルフパブリッシング狂時代』は、この本の影響を受けています。
ブログより長くて、本より短い。電子書籍でさくさく買うのに最適なミニドキュメントというスタイルを提唱しています。

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ざまあみやがれい!」を運営する、座間宮ガレイ氏による熱いツイートの連投があったので、まとめてみました。


話の途中に出てくるIWJというのは、Independent Web Journalのことです。
また、ライブドアブログの支援というのは、「奨学金ブログ」という制度のことです。ブロガーを支援しようという制度が、こうした形で受け止められ、広められていくのは、すごくうれしい。

Re : 2012年後半、今からブログを始める人へ贈るアドバイス

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blog1

2012年後半、今からブログを始める人へ贈るアドバイス」という記事が話題になっていました。
代表的な反応は、「素晴らしい!」という賛辞と、「ブログってこんなにめんどくさいのか…」という落胆などだと思いますが、ブログ事業を10年近くやっている自分の感想はこれです。


これだけはやってはいけない!


なかにはもっともだなと思えるアドバイスもあるのでちょっと大げさだけれど、以下の2項目だけはお薦めしません。

適切なプラットフォームを選択する。優れたブログプラットフォームのデフォルトの選択肢は、WordPressだ。
自分のドメインを手に入れる。

自分でサーバをレンタルして、自分でブログのシステムをインストールして、自分でドメインを設定したおもしろいブログがかつてたくさんありました。でも10年経ったら、そういうブログはほとんど消えてしまいました。とても残念です。

今も残っているのは、「livedoor Blog」とか「はてなダイアリー」とか、サーバやシステムやドメインの管理をすべて専門のサービス会社にまかせたブログばかりです。

熱意をもって書きはじめたブログも、いずれ飽きる時がきます。
しかし、飽きのその先に、「あのときの自分は何を考えていたんだろう?」と振り返りたくなる時がきますし、あなたの過去ログを欲する読者が必ず現れます。
では、その飽きの時期をどうやって乗り切るか?
自前のサーバや独自ドメインでは長続きしないのは、過去の歴史に照らして明らかです。
だからなるべく、専門のサービス会社にまかせることをお薦めします。

多分にポジショントークではありますが、これが、2012年後半、今からブログを始める人へ贈る私からのアドバイスです。

関連リンク


無料で広告が少ない国内ブログサービス比較 2012年4月版

ブロガーランキングを作ってみたら414位だった

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ブロガーランキングというのを作って、500位まで公開してみたら、414位というぎりぎりのところに滑り込んでいたので記念のスクリーンショット。

昨日はいつもよりアクセス数が多かっただけなので、またすぐ圏外になると思いますが、あれくらいでこれくらい、という距離感はなんとなくつかめました。

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総合ランキングだと遠すぎたけど、これならちょっとやる気が出てきたぞ。

ブログ誕生 ―総表現社会を切り拓いてきた人々とメディアブログ誕生 ―総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア
著者:スコット・ローゼンバーグ
販売元:エヌティティ出版
(2010-11-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

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小鳥ピヨピヨのいちるさんに『ブログ誕生』を薦められたので買ってみたんですが、2010年刊行でこのタイトルだから、本当に売る気があるのかと疑いたくなるレベル。人に薦められなかったら絶対に買わないですよこれ(でも、人に薦められた本は、実際にほとんど買います!)。

それを2〜3週間ほど本棚に置いておいたんですが、ふと本と目があってのでそろそろ読みごろだなと思って、週末に読みました。

ブログ誕生 ―総表現社会を切り拓いてきた人々とメディアブログ誕生 ―総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア
著者:スコット・ローゼンバーグ
販売元:エヌティティ出版
(2010-11-25)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

確かにおもしろかった。

まず、2010年の時点で『ブログ誕生』という本を出すのはえらい遅すぎたんじゃないかと思ったけど、そうではなかった。それくらいの時間が経たないと、この「革命」の価値を冷静に批評できなかったという意味では、スマートフォンインターネットの時代の夜明けにこの本が出たのは、ちょうどいいタイミングだったというわけです。

この本のスコープは、巷間によく言われるブログ元年の2001年(911によってブログの価値が社会的に認められた、とかそういうエピソード)からではなく、MosaicやNetscape Navigatorが登場した1994年頃にさかのぼって時系列逆順の表示形式(日本で言う「連邦」みたいなサイト)がどのように広まったかという検証からはじまる。

そこから、Bloggerや、Weblogs.comや、BlogRollといったツール面の話(あと、PermlinkやRSSといった形式の話)。Google AdSenseなどのマネタイズの話や、プライベートを垂れ流しにする個人の意識の変化や、GizmodoやHuffington Postといった本格的なメディアの話に広がる。

本書で語られているのは、ネットおたくの雑学自慢や、わしが育てた的な優越感ではなくて、史上もっとも手軽なPublishing Toolを手にした人々の熱狂や戸惑いといったものだ。

だから、USとは事情の違う日本のブログに照らし合わせても、ブログではなくTwitterに読み替えて読んでも、ここに書かれていることの本質は変わらない。「総表現社会を切り拓いてきた人々とメディア」というサブタイトルに嘘偽りはなく、その意味で、大変な良書だと思いました。ECでもSNSでもゲームでもないインターネットの歴史と精神について、非常にいい教科書だなと。新卒採用の企画職には教養として読んでおいてもらいたいような内容でした。


「史上もっとも手軽なPublishing Toolを手にした人々の熱狂や戸惑い」ということで思い出したのが、紀田順一郎の『日本語大博物館』。10年前に読んで以来、再読することがなかったんですが、この機会にあらためて読んでみました。


日本語大博物館―悪魔の文字と闘った人々 (ちくま学芸文庫)日本語大博物館―悪魔の文字と闘った人々 (ちくま学芸文庫)
著者:紀田 順一郎
販売元:筑摩書房
(2001-09)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

中でも印象深いのは、活版印刷、写植、DTPといった商業印刷の正統とは傍流にある、ガリ版印刷(謄写版)。これもまさに、原始的ながらPersonal Publishing Toolなんだよなと再発見だった。現在にも続く同人カルチャーや、ブログで表現行為をするブロガーの原点みたいなもんだなと。

この本、Amazonにレビューも出てませんが、すごくおもしろいのでお薦めです。

あわせて読みたい


マガジン青春譜―川端康成と大宅壮一 (文春文庫)マガジン青春譜―川端康成と大宅壮一 (文春文庫)
著者:猪瀬 直樹
販売元:文藝春秋
(2004-09)
販売元:Amazon.co.jp
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新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に
著者:小林弘人
販売元:バジリコ
(2009-04-03)
販売元:Amazon.co.jp
クチコミを見る

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