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楊令伝(の文庫版)、ついに完結しました。
いやー、長かった。
楊令伝だけで全15巻、大水滸伝でいうと34巻目。
途中、気分的に中だるみもあったけれど、最後の怒濤の展開は、涙なくして読めませんでした。

楊令伝 15 天穹の章 (集英社文庫 き 3-81)楊令伝 15 天穹の章 (集英社文庫 き 3-81)
著者:北方 謙三
販売元:集英社
(2012-08-21)
販売元:Amazon.co.jp
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8月末に、最終巻となる15巻が出るので、それにあわせて溜め置きしておいた12巻〜14巻を一気に読みました。

楊令伝 12 九天の章 (集英社文庫)楊令伝 12 九天の章 (集英社文庫)
著者:北方 謙三
販売元:集英社
(2012-05-18)
販売元:Amazon.co.jp
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楊令伝 13 青冥の章 (集英社文庫)楊令伝 13 青冥の章 (集英社文庫)
著者:北方 謙三
販売元:集英社
(2012-06-26)
販売元:Amazon.co.jp
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楊令伝 14 星歳の章 (集英社文庫)楊令伝 14 星歳の章 (集英社文庫)
著者:北方 謙三
販売元:集英社
(2012-07-20)
販売元:Amazon.co.jp
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基本的な読みとしては、11巻読了時に書いた感想『楊令伝に関する解釈と、岳飛伝への期待』の通りで、この見立ての通りに、経済小説的な描写が濃くなってきました。そのなかにあって、水滸伝の登場人物は悩むわけです。「役人」の世界が「商人」へ移り変わるなかで「軍人」は何を為すべきか。

印象的なのは、作中の登場人物が集って楊令について語るシーン。まるで、北方謙三の頭の中で行われている編集会議をのぞきみているような、あるいは加担しているような不思議な感覚。しかもそれが、ちょっとうなりたくなるような、難しい問題なんですよね。

最終巻を読む前に適当な予測・願望を言えば、楊令は歴史から消えるべき。楊令の試みは、あまりにも時代が早すぎた。よく考えてみれば、もともと水滸伝に存在しなかったキャラクターを北方謙三が創作したという時点で、楊令は現代の感覚を持った人間、つまり、この時代においては未来人だ。だから、今後の物語の主人公を、実在した岳飛という人物に譲るためにも、退場していただかないといけないような気がする。ただし、それだけでは寂しいから、死んだけど実は国外で生きて歴史に残る活躍をしているという、義経=チンギス・ハーン伝説のようなオチはどうですかね。もし自分が編集会議に参加していたら、こんなことを言ったと思う。

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ちなみに、13巻の解説は久し振りに読み応えのある優れた内容でした。
水滸伝のときの解説は、歴史的な傑作を前にしてみな興奮気味で、内容的にも力の入った優れたものが多かったけど、楊令伝になってからというもの、物語の失速に合わせて熱は失われ、「北方さんと私」というテーマの本編とまったく関係のないエッセイに堕していた。それだけに、『楊家将』と『血涙 − 新楊家将』という、水滸伝前史となる物語から『水滸伝』と『楊令』を読み解くという試みは非常によかった。おすすめです。

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一冊一冊にそれほど感想はなくても、まとめて振り返ると意外に共通点がある、ということに気づいたので、ここ最近に読んだ本を振り返ってみる。箇条書きみたいな乱暴な書き方になっているかもしれないけれど、ここで取り上げた人のことはみんな尊敬していますので許してください。

水滸伝の別冊『替天行道 - 北方水滸伝読本』。設定集としてよりも、編集者との友情の書として興味深かった。『水滸伝』の内容的な成功と商業的な成功の背後にある、編集者とのパートナーシップと、巧みな戦略と、煮えたぎる執念を感じて、北方水滸伝がますます好きになった。


『水滸伝』の10年以上前に書かれた北方版の『三国志』を、今になって読み出した。ハードボイルドな劉備、愛妻家の呂布という新解釈のおもしろさはあるが、文体の完成度が『水滸伝』より劣っているので、ちょっと迫力に欠けるのが残念。でもそこから逆に、『水滸伝』の恐るべき完成度があらためてわかった。


河口慧海の『チベット旅行記』からおよそ15年後の旅行記がこれ、『第二回チベット旅行記』。筆舌に尽くし難いとはこのことで、どんな解説もできそうにない。
しかしとんでもなく偉い坊さんがいたものである。映画化されてもおかしくない。でも、映画化されてもおもしろくない。そういうものだ。


サイキック孔子伝『陋巷に在り〈1〉儒の巻』を再読。全13巻と長いけれど、この第1巻と続く第2巻のおもしろさは頭抜けてすごい。そういえば、北方謙三は『替天行道』で中島敦のことを尊敬してるって書いてたっけ。現代の中島敦とも呼ばれる酒見賢一の小説は読んでいるのかどうか、つきあいがあるのかどうか気になる。


『日本の10大新宗教』がベストセラーになった島田裕巳の新刊『3種類の日本教 - 日本人が気づいていない自分の属性』。ここでの「日本教」というのは、山本七兵(イザヤ・ベンダサン)が『日本人とユダヤ人』などで使用した言葉。それを、「サラリーマン系」「自営業・自由業系」「公務員・教員系」という3種類に分類する試みが本書。この考え方を使って細分化のゲームをすると、「日本教サラリーマン派トヨタ主義」とか、「日本教サラリーマン派シリコンバレー主義」とか言える。


隈研吾の『新・都市論TOKYO』。これまで自分は、街/町を歩いていて感じたことについて、「なんでそうなっているのか?」と考えたことがまったくなかった。南の島があたたかいことにあまり疑問をもたないのと同じように。
だけど、都市の風景に理由を求める思考のフレームを一度手に入れると、さまざまなことが一気にわかってものすごく新鮮だった。汐留のちぐはぐさと不気味さ、丸の内の空の広さ、六本木ヒルズと麻布十番商店街の親密さ。それらに、ことごとく説明がつくのがものすごく快感。あー、散歩行きたい。そして隈研吾がイチオシする北京にすごく行きたくなった(また中国の話しになった)。


続いて読んだのが、『新・建築入門―思想と歴史』。建築に興味を持ったことがないので、「ル・コルビュジエ」とか言われると、なにかのコントかと思ってしまう。いまなに考えてた? と話しを振られて「キェルケゴールについて」と答えるのがある種の人にとって冗談になるのと同じように。
なにかの言葉遊びのようではあるけど、わかりやすく書かれているので、冷やかしに逃げずに、最期まで真剣に読んでみようっと。


すべては中国に通ずってことで衝動買い。『TRANSIT(トランジット) 1号 美的中国』。横山光輝のイラストを使った三国志特集がたまらない。驚いたのは、全員が孔明の子孫であるという村の存在。中国ってば本当にすごいな。ちなみに、一緒に収録された山岳写真も美しかったので大満足。


山岳写真といえば、『一個人 (いっこじん) 2008年 06月号』を購入。世界各地の山岳写真に釘付け。チベット旅行記の河口慧海が見た景色もこんなだったのかなと想像しながら。

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水滸伝〈19〉旌旗の章

月に1冊のペースで刊行される文庫本を読み続けて1年半。全19巻をやっと読み終わりました。長かった〜。でも、苦痛だと思ったことはありません。おすすめです。

以下、ちょいとネタばれ。

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